即位儀式「宮中三殿」のタブー 柏手は打ってはならない

【即位の礼】“皇室の聖地”宮中三殿にタブーが存在 “柏手を打たない”のが作法

記事まとめ

  • 天皇陛下は即位礼正殿の儀に先立って、極めて重要な儀式・賢所大前の儀などに臨まれた
  • 儀式は一般の人には非公開の宮中三殿で行われ、宮中三殿の拝殿にはタブーもあるという
  • 関係者が近くに立ち寄っても、前を横切ることも厳禁で、“柏手を打たない”のが作法

即位儀式「宮中三殿」のタブー 柏手は打ってはならない

即位儀式「宮中三殿」のタブー 柏手は打ってはならない

「即位礼当日賢所大前の儀」に臨まれた天皇陛下(宮内庁提供)

 天皇陛下は10月22日13時から「即位礼正殿の儀」で国内外に即位を宣明されるのに先立ち、午前中、ある儀式に臨まれた。「賢所大前(かしこどころおおまえ)の儀」と「皇霊殿神殿(こうれいでんしんでん)に奉告の儀」という極めて重要な儀式である。

 それらの儀式は、皇居の中でも特に森深いところにある“皇室の聖地”であり、宮中祭祀が行われる「宮中三殿」という場所で行われた。神聖で神秘的なその場所は、一般の人には非公開である。

 文筆家で歴史探訪家の竹内正浩さんは、新著『最後の秘境 皇居の歩き方』の中で、謎に包まれた宮中三殿についても、知られざる秘話を詳述している。竹内さんが語る。

「『宮中三殿』とはその名の通り、賢所(かしこどころ)、皇霊殿(こうれいでん)、神殿(しんでん)の3つを指します。総称として『賢所』と呼ばれることもあります。

 皇祖・天照大神を祀る賢所には、皇位と共に継承される三種の神器の1つである神鏡八咫鏡(やたのかがみ)の御分身が収められています。1185年、源平の戦いの最終決戦となった壇ノ浦の戦いの際に安徳天皇とともに海中に沈み、源義経が八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)とともに回収したと言われているものです。

皇霊殿には、歴代天皇をはじめ、追尊天皇(帝位には就かなかったが、死後に天皇の称号を贈られた親王)、皇后、后妃、皇族2000余の皇霊を奉祭しています。

神殿では、天神地祇八百万神(あまつかみくにのかみやおよろずのかみ)を奉祭しています」

 この数多の神々と神器を祀る宮中三殿において挙行される「賢所大前の儀」と「皇霊殿神殿に奉告の儀」とは、即位礼を行うことをそれぞれに奉告する儀式であるという。この儀式に際し、天皇陛下は純白の神事服を、皇后は純白の十二単をお召しになり臨まれる。

 さらにこの神聖な宮中三殿に拝殿するにあたっては、厳格なルールが設けられており、禁忌(タブー)も存在するという。竹内さんが続ける。

「賢所の正門は、平常は固く閉ざされており、儀式祭典の時だけ開門します。たとえ関係者が近くに立ち寄ったときにも、正門からは中を覗き込むことはおろか、前を横切ることも厳禁とされています。また、賢所の参拝においては“柏手を打たない”のが作法とされています。

 また賢所の出入りに、天皇皇后両陛下が使用するのが北門、皇太子同妃両殿下が使用するのが東門となっています」

 宮中祭祀は年間20近くが行われる。宮内庁とは別の内廷組織である「掌典職」が司り、私たちはその様子を目にすることはできないが、連綿と皇室に伝えられている祭祀に日々臨み、国民の平和と安寧を祈っているという。

 上皇上皇后両陛下も祭祀に熱心に臨まれ、御病気の時以外は代拝を立てることなく臨まれていたという。その国民の行く末を真摯に思う心はきっと、天皇皇后両陛下にも受け継がれていることだろう。

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