しんぶん赤旗を読み解く9つのキーワード

しんぶん赤旗を読み解く9つのキーワード

1949年のアカハタ編集部への強制捜査 共同通信社

 日本共産党の機関紙である「しんぶん赤旗」は、共産党の「資金力」「諜報力」「宣伝力」の源泉だ。報道面では、各地に張り巡らした特異な情報網によって、数々のスクープを報じてきた。また共産党員にとっては、党上層部の意向を知るための重要テキストでもある。その赤旗を読み解く9つのキーワードについて解説しよう。

【1】機関紙
 共産党は、党員を教育・組織し、革命を起こす最大の武器として、各国で機関紙を創設した。旧ソ連のプラウダ(ソ連崩壊後は一般紙として継続)、中国の人民日報、北朝鮮の労働新聞などがある。

【2】田中金脈事件
 田中角栄首相(当時)の資産形成術を洗った「金脈」報道は、立花隆氏が月刊文藝春秋で行った調査報道が有名だが、それ以前幹事長時代に赤旗は、田中ファミリー企業の疑惑を報じていた。

【3】国内・海外支局
 国内に9つの総・支局。海外には、北京、ハノイ、ニューデリー、カイロ、パリ、ワシントンD.C.(2人)などにも取材拠点を持つ。

【4】不破哲三
 日本共産党前中央委員会議長。現在は党付属社会科学研究所所長。戦後共産党を支えた野坂参三氏(1992年、スパイ疑惑で除名処分、1993年没)、宮本顕治氏(2007年没)ら大幹部の謦咳に接し、両氏なき共産党のトップとして2000年より、議長職に就き党運営を一手に担った。不破時代、長年断絶していた中国共産党との交流再開を進めた。2006年、高齢を理由に議長職を退任。

【5】自民党重鎮議員の登場
 2009年6月27日付の赤旗に、自民党元幹事長・野中広務氏のインタビューが掲載。記事では「『宿敵』だったあなた方に私の思いを語るのも、いまの時代がそうさせるのだと思います」と切り出し、麻生政権末期で下野直前の自民党を批判した。2013年1月20日付の赤旗日曜版に同じく自民党元幹事長の加藤紘一氏が、2013年6月2日付の赤旗日曜版にも元幹事長の古賀誠氏が登場し、安倍政権を批判している。

【6】赤旗部数減と党収入
 日曜版と日刊紙を併せた最盛期は、1980年の355万部。2014年1月に党大会で公表した発行部数は約124万部。このうちの100万部程度は日曜版が占めるといわれている。

 2015年に公表された2014年分の政治資金収支報告書によれば、党収入224億7729万円のうち、赤旗に代表される「機関紙誌の発行事業」による収入は193億6258万円。党収入の86.1%を占めている。

【7】赤旗購読料値上げ
 2011年から赤旗購読料は月2900円から500円アップの3400円に値上げ(消費税8%に値上げに伴い、現在は3497円)。購読料値上げは2000年以来、11年ぶりのことだった。

【8】鳥越氏に関する赤旗報道
 都知事選に関する赤旗の1面の見出しを以下、列挙する。「歴史的知事選 鳥越氏必勝を」(7月23日付)、「鳥越候補の旗印鮮明」(7月26日付)、「鳥越支持広げ抜く」(7月28日付)、「都民の声聞く鳥越都政へ」(7月29日付)、「鳥越都知事 何としても」(7月30日付)、「鳥越氏が大健闘」(8月1日付)と、鳥越氏の動静に力点を置いていることが分かる。

【9】「赤旗」の歴史
1922年 日本共産党創立。
1928年 「赤旗」創刊。月2回刊行。
1935年 言論弾圧から187号をもって休刊。
1945年 復刊。
1946年1月 「赤旗」から「アカハタ=AKAHATA」に改題。2月に週5日刊に。
1947年7月 「アカハタ」に改題。
1950年 GHQが発刊停止を指令。
1952年 週刊として復刊。
1954年 日刊へ。
1959年 日曜版創刊。
1966年 「赤旗」に改題。
1997年 「しんぶん赤旗」に改題。

※SAPIO2016年10月号

関連記事(外部サイト)