都内某ホテル プール客平均推定60才で80’s風オイル塗りも

都内某ホテル プール客平均推定60才で80’s風オイル塗りも

植松晃士氏が語る都内某ホテルのプール事情

 世の中のオバさんたちに健康かつ美しく生きていくためにオススメのファッションをアドバイスをしてくれるファッションプロデューサーの植松晃士さん。今回は、年齢も時代も関係なく、自分の好きなことをやる姿勢を見習うべきと、エピソードを紹介します。

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 皆さま、ご機嫌よう。

 今回は私が残暑の東京で目撃した、衝撃映像についてのお話です。

 発端は、「プールに行きましょう」というお友達からのお誘いでした。皆さまご承知の通り、紫外線はお肌の大敵。私自身、肌を焼くなんて発想は1mmもないため、もちろん即刻お断りしました。しかし「まあ、一見の価値はあるから」と何度も誘われ、「じゃあ、私は日陰でランチをいただくわ」ということで出かけたんです。

 時は8月。太陽がぎらぎらと輝く真っ昼間の11時。場所は都内港区にある某ホテル。16才以下お断りというプールを目指し、階段を下りていくと…。見渡す限り、大人の水着の群れ。アラフィフの私なぞ、まだまだ若造です。20代とおぼしきお嬢さんもちらほらいたのですが、全体の平均年齢は推定60才。

 熟し切った年代のかたがたが、女性はビキニ、男性は「どこでご購入されたんですか?」と取材しそうになったブーメラン(布の面積が極小でボディーぴったぴたの男性用水着)姿でした。

 ある男性は、松崎しげるさん顔負けの、真っ黒に日焼けした体をデッキチェアに悠々と横たえ、傍らには日焼け用のオイル。日焼け止めじゃなく、オイルですよ。しかも特大サイズ。

 パートナーとおぼしき女性も当然、日焼けを気にする様子はなく、炎天下での読書などを楽しんでいらっしゃる。

 太陽が真上に昇るほどにプールサイドには人が集まり、常設の木製デッキチェアだけでは足りなくなって、ビニールのデッキチェアまでかり出されていました。

 思い起こせば、1980年代。日焼けは美徳とされていた時代、都内ホテルのプールでは、このような光景が繰り広げられておりました。若者たちがオイル片手に、裏も表もムラなくこんがりと焼くことに心を砕いていたものです。

 その後、月日は流れて三十数年。「美白こそ美肌」の世になって久しい今、まるでタイムスリップしたように、そのときの若者がアラ還世代となり、私の目の前で褐色のボディーを誇らしげにさらしていたのでした。

 あまりの迫力に圧倒された私は、傍らの日陰のカフェで、これまた懐かしいホテル名物のカレーをいただきながら、「アラ還世代、恐るべし」と呟くばかりでした。そして心から「ビバ! 高齢化社会!」と拍手を送ったんです。私たち、たとえ何才になろうと、自分が好きなことを、好きなように楽しめばいいんですよ。

 もちろん、私は今まで通り、日焼けをする気は一切ありませんが、年齢に関係なく、時代も関係なく、自分の好きなことをやるという姿勢は、見習うべきと思いました。自分の人生を楽しむ方法を知っている大人は強いんです。この強さこそが、人生八十余年を生き続けるエネルギーであり原動力です。

 だから例えば、若い頃に熱中したスキーやサーフィンに再度トライするのもいいし、あるいはテニスで、ウエアだけでもお蝶夫人になりきってみるのも素敵。最近ではスキーもカービングスキーという用具のおかげで、意外に省エネで楽しめるそうですよ。しかもスキー場によってはお得なシニア料金で楽しめます。なんでもいいんです。好きなものを見つけましょうよ。人生は楽しんだ者勝ちです。

 オバさん、万歳!

※女性セブン2016年9月29日・10月6日号

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