大口病院連続変死事件 院内人事に絡み看護師間トラブルも

【横浜市の点滴殺人事件】病院内の人事が原因で看護師の間にトラブルも

記事まとめ

  • 点滴殺人事件、自由に歩き回れる人は少ないことから『内部犯行説』が有力視されていた
  • 4月、4階のナースステーションにあった看護師のエプロンが切り裂かれる“事件”が発生
  • 病院関係者は「院内人事が原因で看護師間にトラブルがあった」と明かす

大口病院連続変死事件 院内人事に絡み看護師間トラブルも

大口病院連続変死事件 院内人事に絡み看護師間トラブルも

連続変死事件はなぜ起きたのか?

 神奈川県横浜市にある大口病院で発生した連続変死事件。点滴に界面活性剤を混入し、抗うことができない高齢者を次々に死に至らしめるという犯行は、病院に救いや安心を求める人々を恐怖に陥れた。捜査関係者がため息まじりに話す。

「最近、医療施設や老人ホームでは、職員や入居者間で様々なトラブルを抱えている。犯行の動機を含め、解明すべきことは山ほどある」

 今回の連続変死事件の“最初の”犠牲者は9月20日に死亡した八巻信雄さん(88)だった。終末期患者の多い同病院では“よくある不幸”と思われたのも束の間、その2日前に死亡していた西川惣蔵さん(88)も中毒死だったことが判明する。さらに2人が入院していた4階フロアだけで7月から9月にかけて約50人もの患者が亡くなっていたこともわかった。

 患者の家族からはこんな不安の声も上がっていた。

「夜でも誰でも出入りできるような状態だった。ホームレスらしき人が待合室でくつろいでいたこともある。“どこか具合が悪いの?”と声をかけたら、“ただの雨宿りだよ”って」

 事件発覚直後から杜撰な管理体制が指摘されたため、外部の不審者など多くの人物が捜査対象になったという。だが、点滴に異物を混入させるには一定の専門知識が必要という見方が強まっていく。被害者の2人が入院していた4階病棟は寝たきりの患者が多く、自由に歩き回れる人は少ないことから有力視されたのが「内部犯行説」だった。

殺人事件を扱う捜査一課が捜査に当たり、現場となった4階で働く看護師、話のできる状態の患者に重点的な聞き込みが行なわれた。すると今年に入ってから、看護師たちの間でトラブルが続出していたことがわかった。その中で、“あの子が事件について詳しく知っている”と名指しされた看護師もいた」(捜査関係者)

◆ナースステーション内のトラブル

 続出したトラブルとは次のようなものだった。今年4月、4階のナースステーションにあった看護師のエプロンが切り裂かれる“事件”が発生。

 6月にはある患者のカルテ数枚が抜き取られ、8月に入ると、看護師の飲み物に異物が混入される騒動が起きた。異臭に気づいて事なきを得たが、ペットボトルの上部には注射針ほどの大きさの穴が開いていたという。

「一連のトラブルについて、ある男性が横浜市に告発メールを送っていたが、この男性は4階ナースステーションの看護師の夫。エプロンを切り裂かれた被害者で、彼は妻から相談を受けて通報したようだ」(前出・捜査関係者)

 告発を受けて、とうとう大口病院が神奈川県警に相談。9月2日には市が定期立ち入り検査でトラブル再発防止を病院側に指示したものの、“犯人”はわからず仕舞いだった。病院関係者が明かす。

「看護師間にあったトラブルは、院内人事が原因だったと見られています。ある看護師は“勤務評価に依怙贔屓がある”と不満をぶちまけ、“私は差別されている”“あの子は点数稼ぎばかりしている”などの言い争いも起きていた」

 そうした中での捜査で事件の鍵を握る人物として浮上してきたのが、ある看護師の名前だった。メディア関係者は、その看護師の自宅やトラブル相手と見られた同僚看護師らの自宅に殺到した。彼女らの姿を隠し撮りするテレビ局もあった。

「4階の看護師たちは、西川さんも中毒死だとわかって以降、マスコミへの対応は一切しなくなりました。“総務部長から絶対に喋るな”と厳命されたようです」(前出・病院関係者)

※週刊ポスト2016年10月14・21日号

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