次期総選挙で小池新党参入なら民進党が割を食いジリ貧に

次期総選挙で小池新党参入なら民進党が割を食いジリ貧に

次期総選挙で小池新党の可能性は?

 安倍晋三・首相は12月に行なわれる日露首脳会談で北方領土の2島先行返還をまとめ、その外交成果を掲げて1月解散に踏み切る準備を進めている。自民党は二階俊博幹事長が選挙準備の檄を飛ばすなど戦闘態勢に入りつつある。

 その背景には地滑り的な大勝利が見込めることがある。直近の国政選挙である7月参院選の小選挙区ごとの各党得票(比例代表)をベースにしたシミュレーションでは、たとえ野党4党が共闘を組んだとしても自民党が大勝利を収めるという結果になるからだ。

 野党4党が全小選挙区(295)で候補を一本化したケースでは現有326議席の自公は43議席増の369議席を獲得、維新を合わせると385議席に達し、「3分の2」どころか「4分の3」を超える。

 さらに野党共闘も自公の選挙協力もなく各党がバラバラで戦うケースになると、自民単独で346議席、自公では373議席、そこに維新を合わせると“与党”で406議席という空前の大勢力が出現する(数字は共同通信が参院選直後の7月12日に報じた試算に基づく)。

 さらに次の総選挙には「小池新党」が参入する可能性がある。小池百合子・東京都知事は10月30日に政治塾「希望の塾」を立ちあげる。狙いは来年夏の都議選に向けた候補者養成と見られているが、1月解散となればいきなり国政に候補を立てるチャンスだ。

「都知事選で291万票を得た小池知事が新党で衆院選に臨めば東京ブロックの比例代表だけでも4~5議席は射程に入る」(東京選出の自民党議員)

 割を食うのはどの政党なのか。実は、必ずしも小池新党は安倍自民にとってマイナスとは限らない。政治評論家の有馬晴海氏が語る。

「小池新党が1月に間に合えば、総選挙は面白い結果になる。思い出されるのは小泉郵政選挙です。自民党の抵抗勢力と刺客との戦いが注目され、野党第一党だった民主党は完全に埋没して大敗した。小池氏はあの時の刺客第一号でした。

 今度の総選挙でも東京の小選挙区では自民党都連の現職に小池チルドレンが挑む構図になり、メディアは大きく取り上げるから、その相乗効果で小池新党と自民党のどちらかが1位と2位、負けた方が比例復活する。民進党は3位となり、比例復活もできない状況が生まれる」

 しかも、新党旋風は東京の局地的現象にはとどまらない。大阪では日本維新の会(旧おおさか維新)が参院選で自民党の1.5倍という圧倒的な得票力を示し、衆院選でもかなりの議席獲得が予想される。

 その切り札として期待されるのが、大阪府が誘致を打ち出した2025年の大阪万博だ。維新との連携を強化したい官邸も全面支援に動き出した。首相自ら「地方を訪れる観光客が増大し、地域経済が活性化する起爆剤になることが期待される。しっかり検討を進める」と明言し、官邸から各省庁に協力するよう指示が出ている。

 さらに民進党の拠点である愛知では河村たかし・名古屋市長が維新との合流を計画しており、河村政治塾を再開する。東京、大阪、名古屋の3首長が連携すれば再び地域政党ブームが起きる可能性は十分ある。

「次の総選挙で民進党が共産党と本格的な選挙協力をすれば、民進党の保守票が離れる。この層は保守でも自民党には入れたくないという有権者だから、小池新党や維新など第三極の地域政党がその受け皿になる。先の参院選では無党派票を民進党が最も多く取ったが、総選挙ではその分も地域政党に流れ、民進党はいよいよジリ貧になっていく。

 選挙後まで視野に入れると、民進党が大敗すれば蓮舫代表の辞任だけでなく、前原誠司氏ら保守系議員が党を割って与党に近づいていく事態もあり得るでしょう」(有馬氏)

 安倍首相にとって、維新は改憲支持勢力であり、小池氏も「アベノミクスを東京から発信していく」と公約して知事になった。小池新党や維新が民進党の議席を奪い、民進党が分裂すれば親自民勢力が増える構造なのだ。

※週刊ポスト2016年10月28日号

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