官邸の不敬疑惑、総理の早起き避けるべく宮中茶会遅らせたか

官邸の不敬疑惑、総理の早起き避けるべく宮中茶会遅らせたか

皇室の将来についてまともに議論ができるのか(時事通信フォト)

 天皇陛下の即位関連の儀式が終われば、政府は喫緊の課題であり続けている「女性・女系天皇」「女性宮家」についての議論を始めるとしている。しかし、議論をリードする官邸は、どこまで皇室を理解し、思いを巡らせ、尊重しているのだろうか。近頃は、安倍官邸が皇室を軽んじているのではないかと指摘されることも増えている。

 10月22日に行われた「即位礼正殿の儀」では、こんなことも起きていた。

「儀式を終え、雅子さまが皇居の半蔵門を出られたのは15時過ぎでした。予定よりも20分近くの遅れだったので、待機していた報道陣からは、体調を心配する声まで上がりました。

 しかし実際には、雅子さまが乗られる車が足止めされていたそうです。どうやら、主催である内閣府の方針により、儀式に参加した海外賓客の乗った車を送り出すことが優先され、雅子さまの車両を待たせていたようです」(皇室記者)

 その日、雅子さまは早朝から宮殿に入られ、儀式をまっとうされて、夜には「饗宴の儀」も控えていた。

「“ホスト側”であるために雅子さまが見送る形となりましたが、“内閣府の仕切りは儀式の主役ともいえる雅子さまよりも、海外賓客を先に通すまでして、外交を優先したかったのか”と宮内庁関係者の間でも物議を醸したそうです」(前出・皇室記者)

 11月14、15日に行われる一世一度の重要祭祀「大嘗祭」に対しても、政府の皇室に対する姿勢が見て取れる。

 約27億円という大嘗祭の費用は、皇室の公的生活費である「宮廷費」で賄われる。

「昨年11月、秋篠宮さまは“宗教色の強いものを国費で賄うのは適当か。天皇家の私的生活費である内廷費を充てるべき”という趣旨の発言をされました。皇族である秋篠宮さまご本人が自ら問題提起をされるほど、費用問題は差し迫った問題でもあります。

 しかし、そうした皇室の訴えを政府は無視し、問題は先送りに。充分な議論がされないままに大嘗祭の日を迎えることになったのです」(宮内庁関係者)

◆遅らせられた宮中茶会の時間

「政府関係者の間でも、“さすがに不敬ではないか”と問題視された騒動が以前にもあった」と、ある政界関係者が明かす。

 事の経緯は、次のようなものだ。今年2月25日、当時の天皇皇后両陛下(現在の上皇上皇后両陛下)の即位30年を祝う宮中茶会が皇居・宮殿で行われた。

「茶会の開始は18時が予定されていました。茶会には多くの国会議員も招待されていましたが、たまたまその日は衆議院予算委員会が17時終了の予定。移動や正装への着替えが間に合うか心許ないということで、予算委員会を1時間前倒しすることで、与野党ともに合意していたのです」(政界関係者)

 ところが、しばらくすると、茶会の開始が18時30分に遅れたので、予算委員会は予定通りの時間で行われた。

「実は、官邸から宮内庁に“お茶会の時間を遅らせてほしい”という申し入れがあったそうなのです。というのも、予算委員会の前には、想定される質問とその対応を安倍総理に教える『事前レク』が行われます。もし委員会の時間を前倒しすれば、事前レクの時間が朝早くなります。そこで官邸中枢では、“総理は早起きしたくないだろう”となり、だったら“陛下をお待たせして茶会を遅らせた方がいい”となったようです」(前出・政界関係者)

 当日、安倍首相はたった30分ほどで茶会を中座。銀座に繰り出して大手マスコミ経営陣と高級ステーキを堪能した。ある皇室ジャーナリストは「皇室の政治利用も目に余る」と指摘する。

「上皇陛下が生前退位の意向を示された2016年から議論を進めていれば、もっと早い時期に改元は行えたはずです。しかし、実際に行われたのは統一地方選や参院選が予定されていた今年の4月。改元の慶祝ムードで内閣の支持率は上昇しましたから、狙い通りということでしょう」

 11月10日、政府内で女性皇族が結婚後も皇室に残る「女性宮家」を容認する案が浮上していることが報じられた。

 10月26、27日に共同通信が行った世論調査では、女性天皇を認めることに賛成の意見が81.9%を占めた。

「女性天皇容認の世論が強まりを見せる中、頑なに議論を進めないのは、安倍内閣の支持層の多くを占める、保守系の男子男系論者への忖度が働いているからでしょう。そもそも、たとえ議論が進んでも、これまでの皇室に対して敬意に欠けた態度を見ていると、まともな議論ができるのか甚だ疑問です」(政治ジャーナリスト)

 宮内庁報道室は「茶会の開始を遅らせたのは国会日程の都合。官邸から申し入れがあったかどうかはお答えできません」と説明する。

 いくら万歳三唱を重ねても、安倍官邸の本質は隠せないようだ。

※女性セブン2019年11月28日号

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