桜を見る会 ブーメランで襲いかかる安倍首相の過去の言葉

桜を見る会 ブーメランで襲いかかる安倍首相の過去の言葉

国民の記憶には残っています(時事通信フォト)

 総理主催の「桜を見る会」問題では、自民党内に「いずれ野党の方に批判のブーメランがいく」との楽観的な見方がある。

 しかし、ブーメランが飛んで来るのは、「投げた本人」である。「誇り高き」安倍晋三・首相はこれまで政敵を激しく論難し、不祥事を起こした大臣にも厳しい戒めの言葉をぶつけてきた。それがいまや苦しい言い逃れをしては新事実が発覚してボロを出し、説明を二転三転させている。過去の言葉が旋回して襲いかかるのは首相自身に対してなのだ。

「『民主党は息を吐く様に嘘をつく』との批評が聞こえてきそうです」(首相のフェイスブックより)

 安倍首相は桜を見る会に地元後援会のメンバーを約850人も招待し、国費で有権者を“接待”していたのではないかと追及されると、「私は主催者として挨拶や接遇は行なうが、(招待客の)とりまとめには関与していない」

 そう否定した。ところが、安倍事務所が参加者申し込みを受け付けていた文書が明らかになると、「内閣官房では、総理、副総理、そして官房長官、官房副長官からの推薦を長年の慣行で受けていたということでございまして、その中で私の事務所も対応していたということであります」と一転、関与を認めた。“安倍さんも息を吐く様に嘘をつく”との批評が聞こえてきそうだ。

 昨年2月の国会答弁で安倍首相はこう言い放った。「籠池さん、真っ赤な嘘、嘘八百ではありませんか」。

 桜を見る会について、参院本会議で首相は自ら招待者選びに関わっていたことを隠せなくなった。「私自身も事務所から相談を受ければ、推薦者について意見を言うこともあった」。関与していないという説明は、“真っ赤な嘘”ではないか。

「哀れですね。朝日らしい惨めな言い訳。予想通りでした」(フェイスブックでの投稿)。森友問題をめぐる報道の検証記事に安倍首相はそんなコメントを残していた。

 首相は桜を見る会の前日にホテルで後援会の参加者を集めて開いた前夜祭が問題化すると、「事務所や後援会としての収入、支出はない」「明細書はない」と“安倍さんらしい惨めな言い訳”に追われている。

「政治資金の問題というのは、やはり透明度を上げていくことが大切です。透明度を上げていくことによって政治への信頼を確保しなければいけない」(2007年参院選の党首討論会)

 前夜祭パーティ問題では、安倍首相は収支を政治資金収支報告書には記載しなくていいとこう強弁した。

「収支報告書への記載は、政治資金規正法上、収支が発生して初めて記入義務が生じます。(中略)ホテルが領収書を出し、そこで入ったお金をそのままホテルに渡していれば、収支は発生しないわけでありますから、政治資金規正法上の違反には全く当たらない」

 自分で言っていたこととは逆に、“透明度ゼロ”ではないか。

 この問題については、小渕優子・元経産相が後援会観劇ツアー問題で辞任したときの安倍首相の国会答弁の言葉をそのまま贈りたい。

「国民から負託を受けている国会議員として説明責任を果たしていただきたい」

 そして来年の桜を見る会の開催中止だけで幕引きしようとしている安倍政権の態度には、「母や叔母」の参加で物議を醸した三原じゅん子参議院議員の言葉を借りよう。「恥を知れ」。

※週刊ポスト2019年12月6日号

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