新宿ホスト殺人未遂裁判・詳報2 「風俗店で稼いで通った」

新宿ホスト殺人未遂裁判・詳報2 「風俗店で稼いで通った」

被害者の琉月さん

 12月3日、東京地裁でガールズバーの元店長・高岡由佳被告(21)の初公判が開かれた。被害者は、20歳のホスト男性・琉月(るな)さん。【詳報1】に続き、午後の公判の様子を詳報する。

 午後1時15分からの公判では、証人として高岡被告の母親が出廷した。高岡被告は中国人の母親と日本人の父との間に生まれたという。2歳で来日。帰化して日本人となった。母親は介護福祉士。母親の証言では、高岡被告は10月9日に保釈されており、10月28日から介護職員初任者研修を受講。資格を取得したことが明かされた。

 そののちに、「被告人質問」が行われた。まずは弁護人とのやりとりだ。

──出身は?
 中国です。2歳のときに日本に来ました。
──国籍は?
 日本です。
──家族構成は?
 父、私、母の3人です。3人で実家に住んでいます。
──学歴は?
 (略)帝京大学現代コミュニケーション部保育学科に入学し、平成29年3月に退学しました。学業が自分自身にあわないと感じたのと早く仕事がしたかったからです。
──職歴は?
 2017年10月から学習塾の受付。2018年〜2019年4月まで○○(ガールズバーの店名)で店長をしていました。
──渋谷のデリバリーヘルスで働いてましたね。それはなぜですか?
(被害者の実名)さんが働いているお店に行くためです。
──このデリヘルには今も在籍していますか?
 していません。
──(被害者の実名)との出会いは?
 2018年10月です。私が勤めていたガールズバーでお客さんとしてきました。
──お店に通うようになるのは?
 2019年3月です。
──それからお店に通うようになるまで時間があいているけど、どうしてお店に通うようになった?
(被害者の実名)さんのほうからツイッターのダイレクトメールに来て、3月から週に2〜3回のペースで通ってた。
──なぜ3月だった?
 偶然飲みにいったら店に被害者の方がいた。被害者の方が働いていたバーだった。
──なぜ頻繁に店に通った?
 被害者の方が好きだったからです。すべてが好きだった。
──あなたと(被害者の実名)さんの関係は?
 ホストと客です。
──すべてが好きだという気持ちは伝えていた?
 4月頃から「好きだよ」と伝えていました。
──それに対して(被害者の実名)さんは?
「自分も好きだよ」と言ってくれて、「将来結婚しよう」と言ってくれた。「9月にはホストをやめて一緒に住む」と言ってくれた。
──肉体関係を結んだのは?
 4月上旬です。
──誘ったのはどちらから?
 彼からで、ホストクラブで初めてシャンパンを下ろした日にホテルに誘われました。
──肉体関係の頻度は?
 週に2〜3回でした。

──1回に使った金額は?
 5万のときもあれば60万円のときもありました。
──60万円のときは?
 お店の締め日や売り上げが低いときや、お店で「ラッソン」を歌いたいときとかに使ってました。
──「ラッソン」とは?
 その日お店で一番売り上げがあったホストが最後に歌を歌えるんです。
──最後にお店に行ったのは?
 5月20日。
──総額、いくら使った?
 約250万円ほどだったと思います。
──なぜ?
 彼のことが好きで、彼も私のことが好きだと言ってくれた
──そのお金はどうやって作っていた?
 風俗や“パパ活”をして稼いでました。
──パパ活とは?
 裕福な男性と会ってお互い合意の上でお金を貰うことです。
──(被害者の実名)さんはパパ活していることは知っていた?
 はい。
──パパ活しているといったら、(被害者の実名)さんはなんと?
「いつもありがとう」「お金を使わせてごめんね」と。
──風俗とパパ活をしている間はどんなことを考えていましたか?
 すごく辛くてすごくみじめな気持ちになりましたが、9月にホストをやめて一緒に住むということを励みに頑張りました。
──お店の外で会うときにはどこにいっていた?
 映画に行ったり、猫カフェに行ったり、原宿に行ったりした。
──そういうお金はどちらが払う?
 すべて私が払いました。
──どのくらい払いましたか?
 ホテル代、プレゼント代すべて含めたら50万円ほどです。
──5月20日から新宿の事件のあったマンションに住んでいた。なぜあのマンション?
 彼のお店が近かったことと、キャバを始める店が近かったこと。彼のお店が近いから「毎日帰れる」「もっと一緒にいられるね」と言われた。
──家賃や初期費用は?
 特に何ももらっていません。
──初期費用でどのくらいの金額がかかった?
 150万円。全部負担しました。
──家賃は?
 管理費込みで11万円だったと思います。
──今その部屋はどうなっている?
 その部屋はなくなったと聞いています。
──(聞き取れず)
 5月には少し疎遠になっていたと思った。喧嘩をしたり、私がパパ活で外国旅行に行ったりでお店に行くことが少なくなっていた。
──なぜパパ活で海外に?
 彼のお店に行くお金を稼ぐために海外に行った。だんだん肉体関係も減ってきて少し辛い気持ちもあった。
──引っ越した部屋に入ったのは?
 5月20日に、(被害者の実名)さんが勤めるホストクラブに飲みに行った帰りに鍵をもらいに行って2人でニトリに行って部屋で2人で過ごしました。
──部屋ではどのように過ごした?
 部屋ではあまり会話をすることがなくて、向こうが携帯をいじったり寝たりしていました。
──21日は?
 友人が、彼が他の女とラブホテルにいるのを見たと聞いて、電話しました。ホテルにいるのは認めたけれど、肉体関係はないと言われました。すごく辛かったけど、今後は女性といるときは私に伝えてほしい。嘘はつかないでほしいと(話しました)。
──5月22日は?
 私が一日中仕事で23日朝まで仕事でした。デリバリーヘルスの仕事です。22日13時出勤で、23日朝5時まででした。
──23日当日は?
 午前6時ころ(部屋に戻ったと)記憶しています。ガールズバーの店長を務めていたときに従業員だった子と電話をしていました。
──内容は?
(被害者の実名)さんとの関係が崩れていることを話しました。「一緒にいたいのなら我慢するしかないね」といわれた。お店が終わっている時間なのに電話に出ないので、連絡すると「お店に来た女の子の営業返しで遅くなる」と言っていました。
──営業返しとは?
 お店にきてくれたお客様のお店に飲みにいくことです
──それは電話で?
 LINEです。そのあとは(被害者の実名)さんの帰りを待っているうちに「死にたい」という気持ちが強くなってきて携帯にメモを残しました。
──殺して自分も死のうと思ったのはなぜ?
 とても辛くて彼を殺して自分も(聞き取れず)。
──メモはいつ作成した?
 13時から(被害者の実名)さんの帰りを待っている間に作成したものです。
──メモはなぜ?
 迷惑をかけてしまう。私のまわりだけでなく(被害者の実名)さんの周りの人への謝罪。
──「殺せばいいのだとわかりました」の意味は?
 彼を殺してしまえば一緒になれると思った。すごく辛くて当時はパニックになってどうしたらいいのかわからないと、自分でも何が何だかわからないといった感じです。

 (詳報3に続く)

◆取材/宇都宮直子(ジャーナリスト)

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