ハイサワー女性社長はなぜ「美尻カレンダー」にこだわるのか

ハイサワー「美尻カレンダー」を毎年発売 きっかけは『タモリ倶楽部』の特集

記事まとめ

  • ハイサワーで知られる博水社は、毎年「美尻カレンダー」を発売している
  • テレビ朝日『タモリ倶楽部』のハイサワー特集がきっかけで誕生したという
  • 田中秀子社長によると、ハイサワーのようにパンパンでピチピチのお尻がテーマだとか

ハイサワー女性社長はなぜ「美尻カレンダー」にこだわるのか

ハイサワー女性社長はなぜ「美尻カレンダー」にこだわるのか

「ハイサワー」で知られる博水社の田中秀子社長

 師走に入り、大型書店には来年のカレンダーが数多く販売されている。動物、自然、航空機などさまざまなカレンダーが並んでいるが、毎年根強い人気を誇る異色のカレンダーがある。ハイサワーで知られる老舗飲料メーカーの博水社が毎年発売している「ハイサワー美尻(びしり)カレンダー」である。セクハラ批判も受けかねないご時世、なぜ同社は女性のお尻だけを強調したカレンダーを作り続けているのか──。ジャーナリストの山田稔氏が、博水社の女性社長を直撃した。

 * * *
「ハイサワー美尻カレンダー」は名前の通り、魅力的な美尻をクローズアップしたカレンダーで、お尻のオープニング、エンディングが人気のテレビ番組『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系列)の中で、2009年にハイサワーの特集が組まれたことがきっかけで誕生した。

 カレンダーは2010年版を製作し、当初はハイサワーを置く居酒屋向けに配布したところ、それを見た客から「どうしても手に入れたい」という声が殺到。そこで2011年版から一般販売に踏み切った。過去10年間の累計販売部数は6万2000部に達し、隠れたヒット商品である。

 ここで、過去10年間の「美尻」のキャッチコピーを振り返ってみよう。

・2010年/肉感的&ボリューミー
・2011年/ボン・キュッ・ボン
・2012年/小悪魔系美尻
・2013年/ま〜るいお尻
・2014年/お尻も景気も上向き
・2015年/ハート形の美尻
・2016年/腕組んで恋人気分
・2017年/お尻が進化=NEO
・2018年/創業90年でキュッと丸
・2019年/南国デート気分美尻

 時代背景が分かるものもあれば、なぜこの年にこのテーマというものも。これまでに100近いバージョンの美尻が披露されてきたことになる(※注/6枚綴りもあるので120にはならず)。

◆2020年版の「12美尻」は307倍の高倍率から選抜

 そして、11月12日の「いいヒップの日」からアマゾンなどで発売されている2020年版のテーマは、「スポーティ美尻」。多数の応募者の中から選抜された5人の「ハイサワー美尻ガール」が顔は一切写さない素晴らしい後姿を披露している。

 鍛え上げられた、ハリのある、美しい丸みのお尻が勢揃いで、テニスボールやダンベル、卓球のラケットなどスポーツ用品を手にしている構図が特徴だ。プレミアム版(13枚綴り)の表紙は、1月の金メダル色のビキニ美尻が他の月の美尻に囲まれた構図で、切り取ってポスターにすることもできる逸品だ。

 さて、この美尻カレンダーはどうやって作られるのか──。まずはモデルの選考。12人採用の予定だったが、過去に152万もの美尻を目利きしてきた同社の「美尻グッズ部」(田中秀子社長と女性社員で構成)のお眼鏡にかなう12人がなかなか見つからず、最終的にモデル、スポーツトレーナーら5人を最終選考した。

 撮影に当たって美尻ガールたちは、数日前から洋服や下着の跡が残らないようお尻のケアをしたり、柔らかなクッションに座りキラキラパウダーやクリームで美尻の輝きを増したりと、入念な準備を怠らなかったという。

 撮影は2日間。海の見えるスタジオで行われ、撮影総カット数は3679カットに。この中から使用カットを厳選。「プレミアム版」は307倍、隔月めくりの「スタンダード版」は613倍もの倍率を勝ち抜いた秀作である。じっくり、ご覧いただきたい。

◆「美尻ガールは女性の憧れです」

 販促カレンダーの域を超え、アートといってもいい作品となっている「美尻カレンダー」。根強いファンがいるのもうなずける話だが、今の世の中はなにかと不寛容で、女性の身体をアピールするとすぐにセクハラ批判が起きかねない。

 そんな時代にあって、ハイサワーの3代目女性社長は、なぜ、こうまでも美尻カレンダーに力を入れるのか。田中社長ご本人を直撃した。

「私、子どもの頃からバレエを習い、やがて振付師を目指したいと思うようになり、日本でトップクラスの振付の先生に弟子入りして、バレエとジャズダンス、モダンダンスを掛け持ちで稽古していました。稽古場に通うバス停でもトーシューズで立ち、背筋を伸ばすといった日々でした」

 そんな踊りの稽古に明け暮れた日々と美尻カレンダーがどうつながるのか。

「ハイサワーの美尻にはテーマがあります。強炭酸のハイサワーのようにパンパンでピチピチのお尻であることです。自分が踊りの世界にいたので分かりますが、女性の柔らかい体を、しなやかに、かつ強く鍛えるには相当な時間がかかります。お尻だけをきれいに引き締めるなんてできない。お尻がきれいってことは日々の努力なくしてあり得ないことなのです。

 ダンサーは華やかな舞台の陰で毎日毎日、ひたすらバーレッスンをはじめ自分磨きの連続です。足首も太腿も腰も肩も、全部きれいでなくっちゃ美尻はあり得ない。昨今の美尻ブームの中で、人に見せるためではなく自分のために自分の体をきれいにしている女性が増えています。

 美尻カレンダーのモデルは、まさにそれを実践しているコたちです。ある意味、堂々としている感じですよね。だから、女性のファンも多いんです。そしてまた女性の憧れでもあるんですよ。美尻カレンダーを見た女性たちが、私も努力しようって思いを抱いてくれればうれしいですね」

 いつも笑顔を絶やさず、精力的な田中社長は、ハイサワーの販促、営業活動のみならず、犬猫を殺処分から救う「ALIS日本動物生命尊重の会」の活動にも力を注いでいる。そんな熱い思いは、美尻カレンダーづくりも一緒。黙々と努力を続ける女性たちの励みになるような究極の作品を目指して、毎年まい進しているのだ。

関連記事(外部サイト)