ケンタッキー社長 「今後はデリバリービジネスを強化したい」

ケンタッキーフライドチキンの日本KFCホールディングス社長「デリバリー強化したい」

記事まとめ

  • ケンタッキーフライドチキンを展開する日本KFCホールディングスが異例のV字回復を達成
  • 近藤正樹社長は、2020年は「お客様に感謝を伝えることができる50周年にしたい」と語る
  • 東京五輪で「テレビ観戦のお供にはケンタッキー」となる仕掛けを作っていきたいという

ケンタッキー社長 「今後はデリバリービジネスを強化したい」

ケンタッキー社長 「今後はデリバリービジネスを強化したい」

テイクアウト専門店が今後増えるか

ケンタッキーフライドチキン」を展開する日本KFCホールディングスが絶好調だ。2019年4〜9月期連結決算では、売上高は前年同期比8.5%増(381億円)、営業利益は約5倍の24億6600万円となった。客数も12%増という異例のV字回復を成し遂げた同社だが、今後も好調ぶりを維持することができるか。近藤正樹社長に訊いた。

──来年(2020年)は日本KFCにとって設立50周年の節目です。

近藤:まだ詳細はお話しできませんが、お客様に感謝を伝えることができる50周年にしたいと考えています。同時に、現場で働いてくれているKFCの関係者に対しても感謝の気持ちをどこかで伝えていきたいですね。

 また、オリンピックイヤーですからスポーツ全般がクローズアップされることになります。実際に競技場に行かれる方もいらっしゃいますが、現実的には大半はテレビ観戦になる。「テレビ観戦のお供にはケンタッキー」となる仕掛けを作っていきたい。

 東京五輪は7〜8月に開催されますが、当社には「レッドホットチキン」という夏によく売れる商品がある。

 昨年の7月は「500円ランチ」(本来920円のオリジナルチキン1ピース、Sサイズのカーネリングポテト、ビスケット、Sサイズのドリンク)が目立っていましたが、実は「レッドホットチキン」も凄い売り上げを叩き出しました。季節限定の商品ですが、かなりの固定ファンがおられますので、ご満足いただけるよう今から準備を整えています。

──ハンバーガーチェーンをはじめとするファストフード店だけでなく、コンビニでもチキン商品が数多く展開されるなど、競合相手は数多い。ケンタッキーの強みは?

近藤:やはりフライドチキンそのもののレベルの高さでしょう。私が日本KFCに来た時に驚いたのは、若鶏の中でも特に若い“若々鶏”を使っていることでした。その鶏は肉の臭みを抑えるハーブ原料を加えた特別な餌で育てています。

 体が大きくなる手前の鶏を使うのはコストが上がるので普通は使いません。しかし、その肉はとても柔らかくフライドチキンの味を肉に染み込ませるのに一番適しているのです。

 鶏肉の揚げ方にもこだわっている。惜しみなく植物油を使い、その温度管理もきめ細かです。

 レストランのようにお店で粉付けから行なっていますし、秘伝のハーブ&スパイスもある。これらはどこにも真似できないと考えています。最近の業績好調も、オリジナルチキンの質の高さがベースにあってのことだと考えています。

──今後、日本は少子高齢化と人口減少が加速していきます。どこに活路を見出していく?

近藤:ここ10数年、ケンタッキーの店舗数はあまり変わっておらず、現在国内で1130店舗強です。

 ただ人口動態が年々変化していく中で、店舗の配置は刻々と調整しています。これからさらに強化していきたいのはデリバリーの分野です。「時間を有効活用したい」と考えるお客様が増え、デリバリービジネスはすさまじい勢いで伸びていますので。

 一方、街中の小さなスペースでのテイクアウト専門店にも商機が出てくると考えている。11月29日に、イトーヨーカードー新宿富久店内にテイクアウト専門の実験店を出しました。

 周辺はタワーマンションをはじめ集合住宅も多くニーズがかなり見込める地域です。このチャレンジが成功すれば「近くにケンタッキーの店がないからコンビニでチキンを買った」というお客様にも訴求していけるでしょう。

 自慢のチキンを通じて「おいしさ、しあわせ」をお届けするため最善の策を考えていきたいですね。

【PROFILE】こんどう・まさき/1955年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、1978年三菱商事入社。1985年コロンビア三菱商事。食品本部コーヒーマネージャー、伯国(ブラジル)三菱商事社長、生活産業グループCEO補佐(人事担当)を経て、2014年から日本KFCホールディングス株式会社代表取締役社長。

●聞き手/河野圭祐(ジャーナリスト):1963年、静岡県生まれ。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。

※週刊ポスト2019年12月20・27日号

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