五輪予算の不可解な使途 錦帯橋ライトアップに500万円も

五輪予算の不可解な使途 錦帯橋ライトアップに500万円も

五輪予算で錦帯橋(山口県岩国市)をライトアップ(時事通信フォト)

 メインスタジアムとなる新国立競技場がお披露目となり、いよいよ五輪への期待感が高まっているが、この競技場をめぐって散々問題になった予算については、いつの間にか誰も口にしなくなった。「コンパクト五輪」という掛け声のもと、はたしてどれだけの予算が五輪をめぐって使われたのか……かつて東日本大震災の復興予算流用問題をスクープしたジャーナリストの福場ひとみ氏が、徹底調査した。

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 東京五輪で重要な役割を担う省庁にとって、「五輪」という名目は使い勝手がいいようだ。

 文科省はアスリート支援の名目でさまざまな五輪関連予算を計上しているが、そのほかにも2016年より「文化プログラム」なるものをスタートさせ、4億2800万円もの予算が使われた。

 文科省のHPには、開始時の模様が紹介されている。

〈(2016年)10月7日、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、スポーツだけでなく、国内外に日本の文化を発信すべく、文化プログラムがスタートしました。スタートに合わせて、江戸の文化の発信地であり、五街道の起点ともなった日本橋で「幕開き 日本橋 〜東京2020文化オリンピアードキックオフ〜」と題したセレモニーが行われ、(中略)小池(百合子)知事は、2020年に向けた機運をオールジャパンで盛り上げるためには全国各地の方々との連携が不可欠とし、「今後展開するプログラムに多くの方に参加いただき、芸術、文化の魅力を感じて頂きたい」と話されました〉

 その文化プログラムとして、横浜市「アートによる地域再生まちづくり事業」、鳥取県「東京五輪に向けた障がい者の芸術文化活動推進知事連盟事業」などと並んで選ばれたが、山口県岩国市で毎年11月に行なわれる「錦帯橋芸術祭」で、500万円の補助金が下りた。1673年に建てられた、長さ200mを誇る錦帯橋を篝火で照らすイベントだが、五輪との直接の関係性は見出しにくい。

 しかし、この場合も根拠になっているのは、五輪の基本方針である。

〈大会はスポーツの祭典のみならず文化の祭典でもある。(中略)文化プログラムの推進も含め、こうした多様な文化を通じて日本全国で大会の開催に向けた機運を醸成し、東京におけるショーウィンドウ機能を活用しつつ、日本文化の魅力を世界に発信するとともに、地方創生、地域活性化につなげる〉

 とにかく日本文化の魅力を地方から発信できるなら何でもいい、ということらしい。

●ふくば・ひとみ/1976年、広島県生まれ。同志社大学卒業、同大学院総合政策科学研究科博士課程前期修了。政策シンクタンクのスタッフ、経済誌の編集者を経てフリーに。『国家のシロアリ 復興予算流用の真相』で小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。

※週刊ポスト2020年1月17・24日号

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