ネット特定班最大勢力「鬼女」が日本のCIAと呼ばれる所以

ネット特定班最大勢力「鬼女」が日本のCIAと呼ばれる所以

"鬼女"の世論動かす能力解説

ネット特定班最大勢力「鬼女」が日本のCIAと呼ばれる所以

特定班の力をあなどってはいけない(写真/AFLO)

 誰もがスマホを持つ時代、著名人たちもこぞってSNSに日常生活をアップしているが、それら一枚一枚の写真が思わぬ「スキャンダル」につながりかねない。僅かな手がかりから熱愛、不倫、そして事件加害者の自宅まで割り出す人たちがいる。

 最近の彼らの活動で知られているのは、木下優樹菜(32)とスペインサッカー1部リーグSDエイバル所属の乾貴士選手(31)、それぞれのインスタグラム投稿から、場所やスケジュール、横書きの文章の冒頭だけを繋げて意味をつくる“縦読み”解読を重ね、不倫疑惑を浮かび上がらせたことだ。

 ネットニュース編集者の中川淳一郎氏によれば、木下と乾の不倫疑惑の解明に熱を上げていたのは、「ネット特定班」と呼ばれる人たちだという。

「SNSにアップされた写真などから自宅を特定したり、料理写真からレストランを特定したりする人々です。例えば、ある芸能人について“こいつら不倫してるんじゃないか?”と疑ったら、本人や相手のブログやインスタグラムの写真、文章を徹底的に調査する。緻密な検証から点と点を線にしていく」

 このネット特定班の中で、“最大勢力”を誇るのが、〈鬼女〉と呼ばれる人々だ。ネット匿名掲示板「5ちゃんねる」の〈既婚女性板〉に投稿している人で、略称の〈既女〉が、鬼のように厳しい女性という意味の〈鬼女〉に変化した。

「鬼女はその捜査能力の高さから“日本のCIA”と呼ばれています。何かネット上で炎上案件が起きると、当事者の過去から現在まで、ネット上に存在するあらゆる情報を発掘・検証し、拡散していきます」(中川氏)

 鬼女の存在が広く知られるようになったのは、2007年、レイザーラモンHGの妻で元グラドルの住谷杏奈に対するバッシングだった。

「手作りのロールパン」としてブログにアップしたものが、市販のロールパンだったことが突き止められたのをきっかけに、過去の写真や発言が徹底的に追及された。

「鬼女は30代以上の既婚女性で、主婦が多いとされている。比較的高学歴で、経済的にも時間的にも余裕がある。そんな層だと推察されています。ただし、女性のふりをした男性も一定数交じっているようです」(ITライター)

 鬼女らネット特定班の捜査力が向けられるのは芸能人に限らない。時として世論をも動かす。

 2015年、デザイナーの佐野研二郎氏がデザインした東京五輪のエンブレムに盗用疑惑が上がった際、特定班の捜索でエンブレムが白紙撤回にまで追い込まれた。

「五輪エンブレムとベルギーのリエージュ劇場のロゴの類似性が指摘された当初、新聞やテレビは“シンプルなデザインだから似ることもある”と佐野氏を擁護する論調だった。ところがその後、特定班たちが過去のデザインを徹底的に調べ上げて、多数の“余罪”が明らかになったんです。これらの検証によって、大会組織委員会はデザインを撤回せざるを得なくなりました」(同前)

※週刊ポスト2020年2月7日号

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