舛添要一氏「出張費&韓国学校で左右から矢が飛んできた」

舛添要一氏が政治資金問題などで批判された当時を回想「大人より子供のほうがまとも」

記事まとめ

  • 舛添要一氏が、政治資金の公私混同問題などで当時批判されたことを手記で振返っている
  • 舛添氏宅にまで右翼の街宣車などが押しかけ、最大で車両17両もが押し寄せたという
  • 舛添氏は子供へのいじめを心配したが、子供は大人よりまともで励ましてくれたたという

舛添要一氏「出張費&韓国学校で左右から矢が飛んできた」

舛添要一氏「出張費&韓国学校で左右から矢が飛んできた」

自らへの批判を振り返る舛添要一・前都知事

 豊洲移転や五輪費用をめぐる小池劇場の最中、沈黙を貫いてきた男がいる。政治資金の公私混同問題などをめぐって昨年6月に辞任してから1年、舛添要一・前都知事は当時の批判に何を思うのか。新刊『都知事失格』が話題の舛添氏が、本誌・週刊ポストに独占手記を寄せた。

 * * *
 あれから1年が経つ。

「どうやったら辞めていただけるんですか」

 昨年の6月10日、最後の記者会見で受けた質問だ。人生で一番激しいバッシングを、この歳で迎えるとは思ってもみなかった。発端は3月7日。都議からの資料要求に対し、2015年秋の海外出張費を公表した。20人分で総額5041万円。

 海外出張費は、コストに見合うだけの成果が上がればよいと考えていた。都民の税金であるからこそ、結果が問われる。そのときは、2020年の東京五輪を見据え、2012年に五輪を開催したロンドンなどに赴いた。五輪施設の大会後の活用方法を現地視察するなど、収穫が得られたと思う。だが、一部の新聞は、内容に触れず金額だけを大書して騒いだ。

 もちろん、私が知事になってから事務方の職員が海外出張を豪華にしたわけではない。都知事である私の役割は、出張先でのスピーチ原稿を考えること。出張経費を事前に細かくチェックする発想がなかった。だから、事前の精査を怠ったと批判されるなら、それは甘受せざるをえない。

 だが、たとえば共産党が、歴代都知事の出張費と比べ、「舛添時代は異常に高い」との論法を使ったのは疑問だった。東京五輪開催の決定前、決定後では、海外出張の意味合いは大きく異なる。しかし、そんな反論が聞き入れられる余地はなかった。

“左”から矢が飛んできたと思えば、次は“右”だった。同時期、私は、手狭になった東京の韓国人学校を、都立高校跡地に拡張整備させる方針を発表していた。

 ヘイトスピーチが跋扈する今こそ、日本で学ぶ韓国の子供たちに、安心な学びの場を提供したかった。しかし、これが「親韓派の知事を排除せよ」といった空気を醸成したようだ。右翼の街宣車などが都庁周辺のみならず、私の自宅にまで押しかけてきた。

「国辱外交をやめろ!」

 そうスピーカーでがなりたて、最大で車両17両もが住宅街に押し寄せた。

“右”の次はメディアだ。あるテレビ局スタッフは、登校中の私の子供にカメラを向けた。高校と中学に進学したばかりだった。「舛添」は珍しい姓だ。父親が渦中の都知事である事実は、すぐに分かる。いじめが、親として最大の心配であった。

 私が、こうした状況を都議会で述べると、「子供まで利用するな」と冷酷な言葉を浴びせかける都議までいた。このような都議と違ったのが、子供たちのクラスメートだ。いじめるどころか、励ますために家に遊びにきてくれた。子供のほうが大人より、よっぽどまともだった。

※週刊ポスト2017年6月9日号

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