首都直下地震に備える! 江戸川区江東区の「ハザードマップ」

首都直下地震に備える! 江戸川区江東区の「ハザードマップ」

江戸川区と江東区で備えが必要な場所はどこか

 近い将来、必ず起きるといわれる「首都直下地震」。人類が未だ経験していない、大都市への地震直撃に向けて、しっかりと備えておく必要がある。あなたの家、親族の家、子供の学校、職場は、安全な地域にあるのか、それとも、特別な備えが必要な場所なのか──。

 そこで、東京23区の中でも、近隣の区よりも2段階以上強い揺れに見舞われると言われている江戸川区と江東区の詳細な「ハザードマップ」を作成した。

※参考/東京都建設局「東京の液状化予測図 平成24年度改訂版」、東京都都市整備局「地震に関する地域危険度測定調査」、国土交通省国土地理院デジタル標高地形図、『首都大地震 揺れやすさマップ』(旬報社)

 * * *

 土地の高さを示す「標高」は、東京湾の平均海面を基準として高低差を計測している。地域の7割が「ゼロメートル地帯」と呼ばれる低地の江戸川区は、津波の影響などによる甚大な浸水被害が心配される。こうした低地が生まれたのは、もともとの地形条件だけではない。

「今は規制されていますが、昭和半ばまで行われた過剰な地下水の汲み上げが大きく影響しています」(関東学院大学工学総合研究所の若松加寿江さん)

 東京都環境局の資料によると、江戸川区西葛西は1968年に年間沈下量23.89cmを記録、江東区南砂2丁目にいたっては、 1918年からの約60年間で4m50cmもの累積沈下量を記録している。

 対策として、東京東部の低地帯では、都を挙げて堤防の強化や耐震化工事が進められており、巨大地震にも耐えうる工夫が施されている。

◆老朽化した「橋」の倒壊リスク大

大きな川が3本も流れる江戸川区には、小川や用水路も多く、街じゅうに「橋」が存在する。中には戦後すぐに建設された橋もあり、倒壊の危険が高い。複数の避難ルートを確認しておくことが大切だ。

◆のりの養殖が盛んだった葛西の田園地帯

昭和半ばまで農業と漁業を中心とした田園地帯だった葛西は、湿地帯を埋め立てて造成された軟弱な土地で、激しい揺れが予想される。葛西沖開発によりできた江戸川南部一帯の液状化にも注意を。

◆低い津波でも浸水のリスクはある

入口がすぼまり、中が膨らむ「フラスコ型」と呼ばれる東京湾は、周辺海域からの影響を受けにくく津波が発生しづらいといわれている。国の被害想定でも首都直下地震での津波は1m以下とされているが、標高の低い沿岸部では水が流れ込んでくる可能性に注意したい。

◆東京五輪会場にもなる「新しい町」

長い論争を経て、昨年11月に「79.3%が江東区、20.7%を大田区に帰属」と決定した中央防波堤埋め立て地は、東京五輪の馬術やカヌーの会場となることでも知られる。江東区は3月に「町名」を発表予定だが、新規開発された埋め立て地の安全性はあまりに未知数だ。

◆「避難場所」がない地域もある

湾岸地域(新砂地区以南)の「地区内残留地区」とは、火災による大規模な延焼被害が比較的少ないと想定され、広域避難場所を必要としないため、自宅や職場での待機を求める地区をいう。千代田区のように、区全域が地区内残留地区に指定されている地域もある。

※女性セブン2020年2月20日号

関連記事(外部サイト)