北朝鮮ミサイルからの避難 車より地べたの方が助かる可能性

北朝鮮ミサイル着弾予想時の避難場所 窓近くは避け、車より地べたの方が助かる可能性

記事まとめ

  • 北朝鮮のミサイルが飛んできた場合の避難場所について、大学教授が語っている
  • 教授は「ミサイル着弾が予想された時は窓の近くにいることは絶対に避けるべき」と話す
  • また「車内に避難する位なら、頭を両手で覆い地べたに伏せていたほうが安全」とも語る

北朝鮮ミサイルからの避難 車より地べたの方が助かる可能性

北朝鮮ミサイルからの避難 車より地べたの方が助かる可能性

北朝鮮ミサイルからどう避難すべきか(EPA=時事)

 繰り返される北朝鮮のミサイル発射情報に慣れてはいないだろうか。海を狙ったのに、誤って日本本土に落としてしまうことがあるのがあの国だ。しかし私たちはミサイルが本当に飛んできたらどうなるのかを知らない。

 各地で“その時”に備えた準備は着実に進んでいる。もしミサイルが飛んできたら、いったいどこに、どのように逃げるべきか。

◆窓の近くは絶対に避ける

 爆発力そのものより恐ろしいのは、より広範囲に被害を及ぼす爆風である。テロ対策や危機管理が専門の青森中央学院大学教授の大泉光一氏(国際関係論)が話す。

「ミサイル対策は爆風対策の面がある。ミサイル着弾が予想された時は窓の近くにいることは絶対に避けるべきです。爆風でガラスが破砕・飛散し、重傷を負う可能性がある。だから避難場所は地下か堅牢なコンクリート造りの建物の中とされているのです」

 爆風波は人体へのダメージが高い順に1次爆傷から4次爆傷にまで分かれる。1次爆傷は爆発の衝撃波で肺や眼球が破れ、即死に近い状態をいう。着弾地点付近にいれば被るケースだ。

 2次爆傷は衝撃波でガラス破片が銃弾より速いスピードで飛んで来て人体を損傷(貫通障害)するケース。3次は爆風で体が吹き飛ばされ壁などにぶつかることで受けるダメージをいう。4次は爆風の熱で受ける火傷などだ。

◆車は簡単に吹き飛ぶ

 政府は全国瞬時警報システム(Jアラート)でミサイル発射の動きを伝えるが、タイムラグがある。防災・危機管理アドバイザーの山村武彦氏が言う。

「北朝鮮のミサイルが発射してから日本本土に着弾するまでは約10分。政府が発射とその経路を分析してJアラートを鳴らすまでは5~7分かかると言われています。残された時間は、3~5分しかありません」

 そのわずかな時間に何をすべきか。最も重要なのは“助かりそうで助からない場所”に避難するのを避けることだ。

「周囲に建物や遮蔽物がない時、車の中に逃げ込めば安全と考える人は多い。車体は頑丈で窓も住宅の窓ガラスに比べれば厚いと考えるからでしょう。

 でもアメリカでハリケーンの直撃を受けた車が次々と上空に巻き上げられていく映像に見覚えがありませんか? 車は躯体構造の関係で下から吹き上げる風圧に弱く、爆風で簡単に吹き飛んだり、転がされたりします。車内に避難するぐらいなら、頭を両手で覆い、地べたに伏せていたほうが安全です」(前出・大泉氏)

 同様に、避難場所に適していそうに見えても危険な場所が、自動販売機の脇やコンクリート製のブロック塀の裏などだ。どちらも爆風で簡単に倒壊して下敷きになる可能性がある。

◆屋上のほうが助かる可能性も

 逆に“危険に見えて実は安全な場所”もある。

「根が張っている分、木は倒壊の可能性が低い。半身が隠れる程度の木陰でも、爆風による致命傷を防げる。また地面に着弾した爆弾は衝撃波が下から上に吹き上げる傾向があるため、吹きっさらしで危険なイメージのある屋上で伏せているほうが損害のないケースもあります」(防災ジャーナリスト)

 ただし、ある程度の高さ(5~6階以上)がある建築物などに限られるという。

※週刊ポスト2017年6月16日号

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