小沢一郎氏が語る、「安倍一強」を覆す方法論とは?

小沢一郎氏が語る、「安倍一強」を覆す方法論とは?

小沢氏が「安倍一強」を覆す方法を語る

「共謀罪」も成立した今国会で目立った安倍一強と野党のふがいなさ。野党は政権をチェックする責任をどこまで果たし得たか。小沢一郎氏(自由党代表)に、こうした状況を打開するには何が必要かを聞いた。

◆聞き手/武冨薫(政治ジャーナリスト)

──あなたは自民党幹事長だった時代、野党にどう処するべきか身をもって体験してきた。

小沢:いや、あの頃とは時代が違う。評論家の江藤淳さんは55年体制を「自民党と社会党が地下茎で結ばれている」と表現したが、あの時代は日本経済が右肩上がりで、野党も与党も本質的な方向性の違いはなかった。

 しかし、日本経済が右肩上がりではなくなった現在、安倍政権のように「弱肉強食」の政策を進めるか、それとも「分配の公平」を重視するかで日本の針路、国民生活は大きく変わってくる。安保も、原発も、共謀罪も与野党で基本的な考えが違うのだから、徹底して議論し、対決しなければならない。

──では、「安倍一強」を覆す方法論があるのか。

小沢:野党が力を合わせて徹底して戦うこと以外にない。例えば、もうすぐ都議選がある。(都民ファーストの会の)小池百合子君がようやく(6月1日に)自民党を離党したが、それまで自民党籍を持っていたこと自体が間違いなんだ。彼女が都知事選で得た291万票は、石原都政、猪瀬都政、舛添都政という自民党と混然一体の権力を改革することへの期待票だった。

 リーダーは有権者が自分に何を求めているかを常に考えなければならないのに、彼女は自民党に片足をかけ続けて行き詰まってからの離党でしょう。ちょっと遅かりしという感は否めない。僕はまだ彼女が本気で腹を括ったのかわからない。

──その小池都知事も野党結集に加わるわけではない。小池新党に都議選で一番票を食われるのは自民党より民進党と見られている。

小沢:なぜ小池君が都知事選で圧勝したのか、みんな勘違いしているのではないか。安倍政権は選挙に大勝して支持があるように見えるが、実は自民党の票は全然増えていない。前回総選挙は2009年の総選挙と比べて投票率が20%近く落ちている。

 ざっと2000万人が投票に行っていない。都知事選ではそうした「眠っていた反自民票」が小池君にどっと流れた。野党が受け皿をつくって彼らを投票所に来させることができさえすれば、一気に勝てる。それにはやはり野党結集から始めるしかない。

【インタビューを終え……】
 今国会は森友、加計スキャンダルに「安倍一強」が揺れたが、それを引き起こしたのはいわば身内(森友学園問題での籠池泰典氏、加計学園問題での前川喜平氏)の“反逆”だった。野党は蚊帳の外に置かれ、存在感を示したとは言い難い。

 過去に2度、野党の結集(※注)を主導して自民党政権を倒した小沢氏でさえ、「眠ってしまった反自民票」を揺り起こすための戦略は模索段階のように思える。野党が弱体化しているのを好機と見た「安倍一強政権」は、いよいよ憲法改正への意欲を露わに示した。そこに小沢氏は重大な国家の危機を感じている──。

【※注/1993年の8会派連立による細川政権誕生と、2009年に政権交代を実現するきっかけとなった2003年の民由合併を指す】

※週刊ポスト2017年6月30日号

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