兵庫県知事選出馬の勝谷誠彦氏「Fラン大学は必要ない!」

兵庫県知事選出馬の勝谷誠彦氏「Fラン大学は必要ない!」

政策を語る勝谷誠彦兵庫県知事候補

 任期満了に伴う兵庫県知事選挙が6月15日に告示され、自民、民進、公明、社民の推薦を受ける現職の井戸敏三氏(71)、無所属の作家・コラムニストの勝谷誠彦氏(56)、共産党推薦の津川知久氏(66)、前加西市長の中川暢三氏(61)の4人が立候補を届け出た。投開票は7月2日。

 4期16年にわたって兵庫県知事を務めてきた井戸氏の前に3候補が立ちはだかるという図式の今回の知事選。中でも注目を集めているのが勝谷氏だ。『たかじんのそこまで言って委員会』や『ビートたけしのTVタックル』など、多数のテレビ番組に出演し、知名度も抜群な勝谷氏は、どんな政策を掲げて、この選挙戦を戦っていくのだろうか。本人に話を聞いた。

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──公約は「明るく楽しい兵庫県」だけだとうかがいました。

勝谷:「公約」っていうのは約束でしょ。約束したら破るわけにはいかんやん。本当に実現できるかどうかも分からんのに、いいかんげんに約束なんかできない。もしも、任期内に公約が実現できなかったら、「じゃあ次も選挙に出ます」ってなるんでしょ。僕は多選する気もないし、実現できなかったことは次の知事に引き継ぎたいと思っているからね。だから「公約」ということではなく「目標」を立てて、そこに向かってみんなで「明るく楽しく」頑張ろうということ。

 でも、「明るく楽しい兵庫県」は僕が頑張れば実現できると思っている。だから唯一の公約なんだよ。しんどいことでも、トップが明るく楽しくやっていれば兵庫県も明るくなる。赤字がかさんでいても、「ツライ…ツライ…」といってりゃ暗くなるけど、知事が楽しく仕事をしていれば前向きになるはず。

 豊臣秀吉がそうなんだよ。秀吉はたくさん残酷なこともしてきたけど、明るく楽しい性格だったから後世の印象がいいの。でも、徳川家康は真面目なことをやってても暗かったから後世の印象が悪い。そういうことだよ。せっかく兵庫県をよくしていこうっていうんだから、明るく楽しくやらないと。

──政策目標の軸となるのは、どんなものですか?

勝谷:それは「教育」だね。子育てがしやすくて、子どもに優しくて、質の高い教育が受けられる県にするということだね。具体的にいうなら、たとえば「いじめ自殺者数0」、「性犯罪被害者数0」、「虐待被害者数0」っていう目標。そのためにいろいろな施策を考えているわけだけど、たとえば「児童相談所」っていう名称も変えようと思っている。

 そもそも「児童相談所」っていうのは、戦後の混乱期に浮浪児がいっぱいて、その子たちが相談するためにできたものだから、そういう名前になったわけだ。でも、今となっては「何を相談するんだ?」っていう感じでしょ。だから、「児童保護センター」もしくは「児童保護局」っていう名前に変える。僕は作家だから言霊を信じている部分もあって、やっぱり名前が変われば人も変わる。「相談所」から「保護センター」になれば、局員も「子どもを保護せなあかんのや!」って自然と意識も変わってくるはずで、虐待数も減っていくと思う。

 あと、小中学校については、先生の雑務が多すぎて教育指導に集中できない状態を改善するというのが目標。小学校の学区というのが、今の社会のいちばん小さなコミュニティーだと思うんだけど、そこには定年退職したばかりでまだまだ元気な人とか、第一線を退いて時間を持て余している元社長とか、そういう大人がたくさんいるんだよ。その人たちを学校の職員として雇用して、学内のいろんな雑務をやってもらえば、先生の負担はかなり減る。しかも、その大人たちは地元とも連携が取れるはずだから、子どもたちの家庭環境なんかも、先生よりはもっと把握しやすいんだよ。先生が子どもを指導したらモンスターペアレンツが出てくるかもしれないけど、地域に根ざしている大人がちゃんと叱るのであれば、モンスターペアレンツも出にくいし、家族ぐるみで対話しやすい。

 地域コミュニティーの連携は強くなるし、モンスターペアレンツの問題も減るし、教育レベルは上がるしで、すごくいい方法だと思うよ。退職して濡れ落ち葉になっていたお父さんたちも、地域の中でしっかり役割をもらえて、しかも給料ももらえるんだから、奥さんも嬉しいはずだよ。

──高等教育についてはどんな政策を考えていますか?

勝谷:兵庫県は灘高、甲陽学院、白陵、六甲学院もあるし、私立の中学・高校のレベルはものすごく高い。でも、レベルが高いから、大学になるとみんな東京に出てしまって、兵庫県に帰ってこなくなっちゃう。それが結局人口転出の大きな原因になっているわけだ。この状況を改善するには、東京で大学を卒業した若者たちを兵庫県に再び呼び戻すための受け皿が必要になってくるわけで、たとえば公立大学の大学院の強化や研究施設の設置を考えている。兵庫県は日本酒出荷量日本一の県だからね。醸造研究所は是非とも作りたいと思っている。

 県が出す返済不要の奨学金制度も実現したい。これは選ばれた学生だけがもらえる特別な奨学金。頭がいいかどうかで選別するのではなく、とにかく勉強が好きな学生がもらえるという奨学金だね。学びたい人がとことん学べる環境を用意することが、県の教育レベルを上げることにつながると思う。

 あと、これは政策目標ではなく、僕自身の「哲学」なんだけど、「アホな大学には行かんでいい」っていうことをどんどん言っていこうと思う。奨学金をもらってアホな大学に通って卒業しても、そんな高給はもらえずに、奨学金が借金になるだけでしょ。今キャバクラや風俗に行ったら、お金が必要だっていう女子大生がたくさん働いているわけだよ。僕が風俗ライターをやってたころなんて、女子大生が働いているっていうだけでニュースになっていたのに、今じゃあ当たり前だっていうんだからね。わざわざ借金を作るために、アホな大学に通っているような子もいるんだよ。これはおかしいと思う。

 どうして「Fラン」なんて呼ばれるアホな大学がたくさんあるのか。それは結局、文科省の天下り先を作るため。あとは、なんとか編集部員みたいな肩書を持っている新聞社のお偉いさんも、よくそういう大学で教授なんかになっているわけだ。結局、Fラン大学は文科省とだけじゃなくてマスコミの利権でもあるから、実情もまったく報じられないし、改善もされない。明らかにおかしいよ。

 だから僕は、兵庫県ではそういう大学は増やさない。その代わりに、いろいろな職業につきたいという若者をサポートする仕組みを作りたい。たとえば、料理人になりたい高校生がいたら、料理専門学校に進むための助成金を出したりとか、大工になりたい高校生がいたら、弟子入りするための仲介をしたりとか、いろんな方法があると思う。

 そうやって、県内での就職が増えていけば、人口の転出を防げるし、地産地消も実現できる。教育の下支えがあれば、いろいろなものが好転していくわけだ。

──最後になりますが、5期目の当選を狙う井戸氏については、どんな印象でしょうか?

勝谷:多選していても、しっかり結果を残していれば、何の問題もないと思う。でも、井戸さんは何もやってないでしょう。しかも、全国的に話題になったのは、「関東で震災が起きればチャンスになる」って発言したこと(2008年)とNHK大河ドラマの『平清盛』を画面が暗いって批判したときくらい。初代兵庫県知事は伊藤博文だからね。もともとすごく立派な県だったはずなのに、今ではお笑い兵庫県だよ。

 何やら来年は県政150周年を迎えるんだってね。井戸さんは、そこに向けていろんな企画を考えているようだけど、一体何の意味があるのか。何十億円もかけて初代兵庫県庁舎を復元しようとしているんだけど、本当に「勘弁してくれ」って思う。それだけのお金があれば、医療や介護や福祉にナンボでも使えるわけだ。

 人間っていうものは、何年もトップに居座り続けると、名誉が欲しくなってきちゃうものなのかねえ。もしも「兵庫県政150年記念誌」みたいなものを作ったら、伊藤博文で始まって井戸さんで終わることになるんだよ。兵庫県が没落していく歴史を見せられているようなものじゃないか。井戸さんにとっては名誉どころか辱めだよ。

 僕がもしも知事になったら、初代兵庫県庁舎復元は白紙撤回する。これだけは間違いない。「白紙撤回する」っていうと当選するらしいからね。青島幸男さんも都市博を白紙撤回するといって当選したし(笑い)。

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