内閣支持率急落 投票率高くなれば大逆転ありえる水準

内閣支持率、新聞各紙で大きな開き 読売は49%だが、毎日は政権の“危険水域”36%

記事まとめ

  • 通常国会閉会後の6月中旬、新聞各紙は一斉に安倍内閣の支持率急落を報じた
  • 毎日(36%)の支持率は政権の“危険水域”とされる30%台に突入した
  • 読売(49%)、日経(49%)はなお“政権安泰”とされる5割近い支持率を保っている

内閣支持率急落 投票率高くなれば大逆転ありえる水準

内閣支持率急落 投票率高くなれば大逆転ありえる水準

「安倍一強」に陰りが見えてきた?

 通常国会閉会後の6月中旬、新聞各紙は一斉に安倍内閣の支持率急落を報じた。だが、「下げた後の支持率」には大きな開きがあった。

〈内閣支持10ポイント減36%〉(毎日)
〈安倍内閣支持率、41%に下落〉(朝日)
〈内閣支持率12ポイント減49%〉(読売)

 毎日(36%)の支持率は政権の“危険水域”とされる30%台に突入し、朝日(41%)でもそれに近い数字が出たが、読売(49%)、日経(49%)はなお“政権安泰”とされる5割近い支持率を保っている。まるで新聞社と政権との距離がそのまま反映されたような数字だ。

 読売の見出しは、安倍政権に有利になる「印象操作」が行なわれていた。朝日、日経は世論調査の記事のサブ見出しで加計学園問題を取り上げたが、読売は「テロ準備罪法『評価』50%」、産経(支持率47%)は「テロ準備罪賛成49%」と共謀罪への賛成率が高いことを強調する見出しをつけた。読売社会部出身のジャーナリスト・大谷昭宏氏が語る。

「安倍内閣の支持率が大きく下がったのは安保法案強行採決直後の調査(2015年10月)以来です。あの時は政策が原因だったから、国民の関心が別の政策に移ると怒りが薄れて支持率が戻りやすかった。

 しかし、今回は明らかに加計学園問題での政権不信から支持率が下がった。ひとたび国民に不信感を持たれると民進党のように支持の回復は難しい。だからこそ、今回の支持率低下は安倍政権にとってダメージが大きい。読売と産経がテロ準備罪を持ち上げる見出しをつけたのは、おそらく安倍政権の意思を忖度したのでしょう。つまり、世論調査が政権にNOを突きつけたことを読者に隠そうとしたわけです」

 だが、どんなに見出しで印象操作をしても、安倍政権が危機的状況にあることはその読売の世論調査データを読み解くとわかる。

 読売は年代別の内閣支持率を報じ、60代が54%から36%へ急落したのに対して、20代は支持率60%以上と高かったことを報じている。政治ジャーナリスト・野上忠興氏は、この数字から選挙への影響の深刻さがわかると指摘する。

「60歳代は各世代で人口が一番多く、投票率が非常に高い世代です。この世代の支持率が急落しているのは、次の選挙で安倍政権は従来の支持票をごっそり減らす可能性が高いことを示している」

 野上氏の協力で投票に結びつく〈投票者支持率〉を世代間で比較してみた。20歳代の人口(有権者)は約1250万人で、前回総選挙の投票率は33%だった。投票に行ったのはざっと412万人。この世代の内閣支持率が65%と高くても安倍政権の支持者は268万人だ。

 それに対して60代の人口は約1800万人で投票率は68%、人数では20代の3倍、ざっと1224万人が投票している計算だ。この世代の支持率が18%下がったということは、それだけで20代の支持者に匹敵する220万人の支持を失ったことを意味している。

「毎日の支持政党別内閣支持率によると、無党派層の内閣支持率は18%と低く、不支持率が53%にハネ上がっている。選挙の投票率が高くなれば、議席の大逆転さえ起きかねない危険水域といっていい」(野上氏)

「安倍一強」で停滞していた政治に再び激震が走ろうとしている。しかもその「震源」は無数にある──。

※週刊ポスト2017年7月7日号

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