サッポロHDの不動産戦略 恵比寿、銀座、札幌で立ち位置保つ

サッポロHDの不動産戦略 恵比寿、銀座、札幌で立ち位置保つ

サッポロホールディングスの尾賀真城社長

 2020年には東京五輪や10月の酒税法改正など、ビール市場にとっては激動の年となる。酒類事業以外の強化、拡大も必須だが、大手ビール製造会社であるサッポロホールディングスはどう出るのか。尾賀真城(おが・まさき)社長に訊いた。

──発泡酒が登場するなどビール業界の「転換期」だった1994年は、(同社本社のある)恵比寿ガーデンプレイスが竣工した年でもあります。不動産事業は、サッポログループの収益の稼ぎ頭になっています。

尾賀:当初は大変でした。恵比寿ガーデンプレイスを計画した当時はバブル期でしたが、竣工した1994年にはバブルは崩壊、土地神話も終焉していた、いわば最悪の時期。思うようにテナントが集まらず、かなり苦労しました。

 それでも長い間、サッポロとして街づくりのお手伝いをできないかという考え方で長くやってきたことが実を結んでいるのだと思います。

──今後、不動産ビジネスではどのような展開を考えている?

尾賀:第一次中期経営計画(2017〜2020年)では不動産ビジネスにはあまり投資をせず、その分、有利子負債を圧縮して企業の格付けを上げるほうに軸足を置いてきました。ですが今後は成長重視で、不動産事業にも力を入れていきます。

 銀座4丁目交差点にある「GINZA PLACE」やビアホールの「銀座ライオン」、札幌工場跡地を再開発した「サッポロファクトリー」など、いいロケーションにある優良資産を最大限生かしていこうと考えています。

 また不動産事業については、恵比寿、銀座、札幌という3都市での立ち位置をあまり崩さずにやっていきたい。まったく土地勘のないところに出ていくのではなく、恵比寿で、銀座で、札幌で、まだまだやれることがある。特に札幌市では2030年度末に新幹線が延伸する見込みですから不動産ビジネスのチャンスは広がると見ています。

 とはいえ、我々は住宅やマンションを販売する会社ではありません。あくまでも我々のベースは祖業であるビール事業であり、ワインなどを含む酒類事業や飲料、食品分野が中核です。恵比寿ガーデンプレイスにしてもビール工場の跡地再開発ですからね。

【プロフィール】おが・まさき/1958年東京都生まれ。1982年慶應義塾大学法学部卒業後、サッポロビール入社。2009年執行役員、2010年取締役兼常務執行役員、2013年代表取締役社長を経て、2017年3月より現職。

●聞き手/河野圭祐(ジャーナリスト):1963年、静岡県生まれ。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。

※週刊ポスト2020年2月28日・3月6日号

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