石原伸晃・宏高氏も危機 東京都の自民党議席26→6に減も

石原伸晃・宏高氏も危機 東京都の自民党議席26→6に減も

石原兄弟もまったく安泰ではない(石原伸晃氏)

 東京都議会選挙では、有権者が「1票の威力」を肌身で感じたが、次の総選挙で大激変が起きる。今回の都議選の成果を当てはめると、問題議員たちが落選運動の結果どうなるかが見えてきた。

 石原慎太郎・元東京都知事の長男で経済再生担当相の伸晃氏は落選運動の標的になる可能性がある。12年間にわたって自民党都連会長を務め、都議会のドン、内田茂・前都連幹事長と組んで築地市場移転の不透明な経緯など「ブラックボックス」と批判されている石原都政を支えた。

 派閥領袖ながらレベルの低い失言が多い。過去には、東京電力福島第1原発事故で出た汚染土をめぐって、「汚染土の保管先は福島原発第一サティアンしかない」とオウム真理教の施設の名称を重ね、さらに保管先の候補地が決まらない中、「最後は金目でしょ」と、無神経すぎる発言が問題になった。

 実弟の宏高氏も落選運動の対象だ。地元区議が「目立ちすぎる父と兄の“十四光”と石原軍団の応援で議員になれた。当選3回を重ねたが、政界での実績はほぼない」というほど目立たないが、現在は兄の下で内閣府副大臣を務めるなど石原ブランドとコネで出世している。

 パチンコメーカーから社員3人を給料ごと派遣してもらい、選挙中の運動員としたことが公選法違反と指摘され、落選中は同社から経営実態のない妻の会社を通じて毎月100万円の“生活費”をもらっていたことも問題視された。スタバやマックで“1人メシ”を食べた払いまで政治資金に計上。兄同様、こんな「政界貴族」が必要なのか。

 その石原兄弟も落選が見えてくる。野党候補と毎回接戦を演じる宏高氏は小池旋風が重なって次の選挙は“風前の灯火”だが、初当選以来連続9回当選で盤石とみられていた伸晃氏も、都議選では地元・杉並で都民ファーストの約7万6000票に対し、自民党・約5万3000票と水をあけられたことがどう響くか。選挙情勢分析に定評がある政治ジャーナリスト・野上忠興氏が指摘する。

「東京8区はこれまで有力な野党候補がいなかったから、伸晃氏は楽な戦いをしてきた。しかし、勢いに乗る小池知事は次の総選挙で石原都政批判のシンボルとして伸晃氏に強力な刺客を差し向けるのではないか。そうなれば伸晃氏が負ける可能性も十分ありえます」

◆そしてあの失言王も…

 もう一人、東京には忘れてはならない政治家がいる。不祥事続出の自民党「魔の2回生」の中でも失言王として知られる大西英男氏だ。

「まず自分が子どもを産まないとダメだぞ」(上西小百合氏への野次)
「マスコミを懲らしめるには、広告料収入がなくなるのが一番」(安倍支持派の若手勉強会)
「巫女のくせに何だと思った」(北海道補選の応援)

 などの失言で、同期の豊田真由子氏の「このハゲー!」発言や稲田朋美・防衛相ら失言ラッシュの先導役を果たした。

 地元・江戸川区の区議、都議を経て国政に出た叩き上げだけに地盤は強いが、江戸川は都議選で都民ファーストが2議席当選させ、自民党に4万票以上も差をつけた。大西氏も“魔の選挙”の洗礼を受けるだろう。

 都議選の自民党の敗因は公明票が離れたことも大きい。毎日新聞の試算では自公協力のままであれば12議席増えていたという。今の自民党は公明党のサポートがなければ、選挙に勝てない“張り子の虎”なのだ。

 東京の衆院選25小選挙区に、今回の都議選の得票数をそのままあてはめると、都民ファースト22議席に対して自民はわずか2議席と過去最低の記録的大敗となる。東京ブロックの比例代表(定数17)もトップは都民7議席、自民は4議席だ。

 現在、自民党は東京の小選挙区・比例合わせて26議席もあるが、総選挙で「落選運動」を実行すれば、6議席に減らせるのである。

※週刊ポスト2017年7月21・28日号

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