ネットに「落選候補取引所」開設し票交換する落選運動も可能

ネットに「落選候補取引所」開設し票交換する落選運動も可能

大物政治家の「落選運動」にはどんな手法が考えられるか

 自民党の安倍晋三・首相、麻生太郎・副総理兼財務相、二階俊博・幹事長の政権首脳3人に共通するのは政治の私物化だ。

 都議選終盤、応援演説に立った安倍首相は「安倍やめろ」コールが飛ぶと、「こんな人たちに負けるわけにはいかない!」と感情的になって反応した。こうした発言でも分かるように、安倍首相は批判する国民は敵とみなして切り捨て、ヨイショしてくれる支持者だけを見て政治を行なう。だから首相の周囲には蜜を求めて「森友」や「加計」がお友だち顔で集まり、行政から特別の優遇を受ける。安倍支持者のためのエコヒイキ政治なのである。

 安倍首相は「震災が東北で良かった」と発言した二階派の今村雅弘・前復興相を即日更迭して果断なところを見せた。ところが、大のお気に入りである稲田朋美・防衛相が公選法違反が濃厚な「自衛隊もお願い」と都議選の応援演説で発言しても更迭せずに庇い続け、お友だち政治の体質を見せつけた。

 それなら幹事長の重鎮・二階氏が稲田氏のクビを切るように忠告すべきだが、彼もしょせんはスキャンダル議員を集めて派閥を拡大し、ポストを得て地元に「二階道路」や「二階橋」をつくって利益誘導してきた古い自民党の体質そのものの政治家でしかない。

 では、もう一人の政権お目付け役、副総理の麻生氏は安倍首相の政治私物化に対し、“水戸黄門の印籠”を出して諫言しただろうか。否、国会では野党を悪し様に言っても、総理に諫言する言葉を聞いたことがない。

 そのくせ、自民党には麻生氏に忠告できるような大御所はいないから、ますます傍若無人ぶりを発揮し、政治資金での高級バー通いは尋常ではない。

 2014年から2015年にかけて会員制クラブに22回通って1677万円、1回平均76万円支払い、ホテルのバーには67回、609万円など総額3874万円を飲食に使った。

 麻生氏はバー遊びだけでは満足できず、軽井沢GC(長野)、古賀GC(福岡)、東京GC(埼玉)など保有している6口の名門ゴルフ会員権に加え、新たに大臣規範に反して福岡CCの会員権を購入していた。

 総理にものが言えず、血税でせっせとバーやゴルフ通いをする長老政治家など早く退場願った方がいい。

◆ボート・スワッピングが効くか

 難しいのは、大物政治家ほど地元に強力な後援会組織を持って票を固め、有権者が落選運動をしようとしても反自民票が掘り起こせないことだ。東京と違い安倍首相の山口、麻生氏の福岡など農村部を抱える地方の選挙区はなおさらである。だが、方法はある。

 ネット上に「落選候補取引所」を開設するのである。選挙・政治制度論が専門の湯淺墾道(はるみち)・情報セキュリティ大学大学院教授が語る。

「落選運動には『ボート・スワッピング』という手法があり、海外では実際に使われた例もあります。例えば石原伸晃氏の東京8区の有権者は、当然、山口4区の安倍首相の選挙区では投票できない。

 そこで、下関の有権者で石原氏に入れてほしい人、あるいは落としたい人を探して、自分がその人の求める投票をする代わりに、相手には安倍首相以外の候補に投票してもらう。この組み合わせをネットでどんどん募集してペアリングしていくわけです」

 そこまで落選運動が盛り上がってくれば、最終手段も想定できる。原発反対派や沖縄の米軍基地移転反対派、あるいはアベノミクス反対派など、安倍政治を止めたいグループが事前に山口4区など大物議員の選挙区に大量転居し、直接、反安倍候補に投票する動きすら出てくるかもしれない。

※週刊ポスト2017年7月21・28日号

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