クルーズ船下船後のジム通いや店員へのド詰め、人間って怖い

クルーズ船下船後のジム通いや店員へのド詰め、人間って怖い

国民に協力を呼びかけるため、頭を下げる安倍首相。だが、対策は遅きに失し国民の怒りを買った(共同通信社)

 体験取材を得意とする『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子(62才)が、世間で起きる様々な事象にゆるくツッコミを入れる。今回のテーマは「ワリを食わされるのは結局のところ、国民!?」だ。

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 3日前の深夜、「大丈夫? 熱、出てない?」と友人がLINEしてきた。なんでも、ネットで「衆議院会館勤務の秘書が新型コロナウイルスに感染した」という噂が流れたんだって。

 私はいま、ライターのかたわら、衆議院議員の事務所でアルバイトをしている。それで心配してくれて、「秘書会とか行ってないよね?」と聞いてきたんだけど、残念ながら私は、秘書会に皆勤賞。

 国会議員の秘書会というと、しかつめらしく聞こえるかもしれないけど、実際は楽しい飲み会だったりする。先日は赤坂の、庶民的だけど本格的な中華料理店で大盛り上がり。で、そこが感染源になった、という噂なんだって。噂には尾ひれがついて、「その人は新型コロナウイルスに感染したのに、インフルエンザにかかったことにしているらしい」とか、「代議士の××先生はすでに濃厚接触してるから、安倍や麻生に感染るのも時間の問題」などと拡散したみたい。ま、結局は単なる噂に過ぎなかったんだけど。

 それにしても、2月29日に行われた安倍首相の会見には腰を抜かしたね。

「全国すべての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校について、来週月曜日(3月2日)から春休みに入るまで臨時休業を行うよう要請致しました」と言うんだけど、どうしてそんな判断に至ったのか具体的な説明はなく、一方的な「お願い」に終始した。

「学童保育において、春休みと同様の対応を取ることなど、各自治体におけるさまざまな取り組みを、国として全力で支援する考えです」とか、「私が決断した以上、私の責任においてさまざまな課題に万全の対応を取る決意であります」とか、見得を切るのはいいんだけど、実際のところは何をどうするかわからない。これって現場への丸投げじゃん。結局のところ、最終的にワリを食うのは国民、ってことなのかな。ホント、「つまんないこと」言うねって感じだよね。

 それから、このところ各自治体が個々の感染経路をようやく明らかにし始めたけど、感染源となった人の行動を見ると、ひどい人がいるね。ダイヤモンド・プリンセス号から下船したその日にスポーツクラブに行って風呂に入ったり、自分が発熱していることをわかっていながらホットヨガに行ったり、マスクもしないでライブハウスで声を張り上げたり…無神経というか無自覚というか。しかも、そうした行動を保健所にきちんと伝えていなかった輩もいたというから、さらに質が悪い。こういう連中の巻き添えを食って感染してしまったかたがたは、怒りをどこにぶつけたらいいのか、本当にお気の毒だ。

 感染していない人の中にもひどい人が少なからずいて、連日、人のイヤなところを見せられる。「マスクがない」「次はティッシュペーパーとトイレットペーパーだ」「紙おむつも」「生理用品も」「食べるなら(海藻の)あおさがいいらしい」…根拠のない不確定な噂に振り回されて、街中のドラッグストアやスーパーマーケットをフラフラうろうろ。

 全国の店員さんたちはこのところ本当に大変だと思う。目当ての物が売り切れていると、半ばキレながら、「いつ入荷するの!?」「なんでっ!?」「1個くらい取り置きしてよっ!」と詰め寄ってくる人があとからあとから押し寄せてくるんだから。「コロナよりも怖いのは人間だった」というドラッグストアの店員さんのSNSへの投稿が話題になったけど、毎日、気が重いんだと思う。

 正体のわからない新型コロナウイルスは確かに怖い。

 いつ、どこで、どれだけの威力で、誰に当たるかわからない、地球規模のロシアンルーレットのようなものかもしれない。でも、ウイルスがどんなに怖いからって、カミにばかりすがるのは間違っていないか?

※女性セブン2020年3月19日号

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