「小泉以降の二元対立政治から脱却せよ」と元自民参院幹事長

「小泉以降の二元対立政治から脱却せよ」と元自民参院幹事長

自民党OBの脇雅史氏(72)

「今の自民党は、もはや国民のために在る政党ではない」──そんなボヤキ声がかつて自民党で活躍した重鎮から漏れ聞こえてくる。参議院幹事長、政治倫理審査会会長を歴任した脇雅史氏(72)が諫言する。

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 自民党内の論戦がだんだん弱くなってきていると感じます。部会などの場でも、「いっても仕方がない」と黙ってしまう人が増えてきた。支援者に報告しないといけないからとりあえず発言はするが、それで何かが変わることは期待できないという状況になっている。

 これは小泉(純一郎)さんのころから始まった傾向で、強力なリーダーシップというのは非常に危うい。トップが先に答えを出してしまうと、組織のなかでは「それは違う」といいにくいのです。いえば「お前辞めろ」という話になる。だから、リーダーシップを発揮しなければいけない一大事の状況というのはありますが、基本的にトップは性急に答えを出してはいけないと思う。

 安倍(晋三)総理も同じで、官邸が先に答えを出してしまう。TPPも反対が多かったのに、総理が賛成と言い出したら、誰も反対といえなくなった。その種の結論の出し方が早すぎる。憲法9条の追加の話だって、誰も知らないうちに結論が出ているでしょう。いったい誰と相談したのかと思う。

 加計学園問題でも、岩盤規制に穴を開け、政治主導で認めたのだから正しいという論調が出ていますが、そんな単純なものではない。規制というのは弱者のためにあって、淘汰されるのが必ずしも良くない場合に規制をかけているわけで、むやみに緩和すればいいというものではない。タクシー業界も規制緩和して混乱を招いただけで、緩和したら何が起きるかを慎重に議論する必要があるのです。

 ところが、小泉さん以来、「改革に反対する勢力=抵抗勢力」という二元化された図式で語られ、規制緩和は正義という御旗のもと、抵抗勢力は蹴散らされてきた。こういうレッテル貼りはもうやめて、いい加減、ちゃんと議論をしましょうよといいたいですね。

※週刊ポスト2017年7月21・28日号

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