安倍首相答弁の信憑性、鍵を握るのは麻生氏の仕草?

安倍首相答弁の信憑性、鍵を握るのは麻生氏の仕草?

安倍首相の答弁の信憑性は?

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、安倍首相の答弁と麻生財務大臣の仕草の関係性について。

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 2日間に渡る国会の閉会中審査が終了した。国民に丁寧に説明すると言っていた安倍晋三首相だったが、蓋を開けると丁寧なのは言葉使いと態度だけ。どこを向いても、「加計学園」問題に絡んだ疑惑は、ますます深まったという声ばかりだ。

 画面に映る安倍首相の顔は、瞼が腫れて表情も冴えず、顔色もイマイチ。少し前までの勢いや歯切れの良さはない。表情や姿勢を見ただけでも、支持率が高かった頃とは雲泥の差だ。強気の時の安倍首相は、身体を起こして頭を上げ、背筋を伸ばして肩を張り、堂々とした姿勢で相手に向き合う。壇上に置かれた書面を見ながら発言する時さえ、肩を丸めることはない。何度も顔を上げ、余裕しゃくしゃく、相手や周りの反応を確認する。

 ところが今回、頭を高く肩を張った攻めの姿勢は見られない。まっすぐ立っていても、どことなく肩が内側に入っているようで消極的な守りの印象。すると、加計学園が事業主体だと知ったのは「1月20日」と言い始めた。追求されると、壇に両手をつき説明するのだが、視線は下を向いたままで、なかなか顔が上がらない。

 過去の答弁との整合性を問われると、書面を読みながら少しずつ身体が前のめりになり、顔が書面に近づいていく。このままいったら、マイクより首相の頭が下になる…というのは大げさだが、それぐらい頭が下がっていたのだ。つじつま合わせに必死な感じが、その様子からも伝わってくる。周りを見る余裕はもうない。

 野党議員に声を荒らげ指をさし、印象操作だと連呼していた頃が嘘のようだ。以前は胸の辺りで手を組み、組んだ指を頻繁に動かすという仕草で、かなり強いイライラや不満を露わにしていた首相だが、この答弁中、手が組まれていたのはお腹の辺り。組んだ手の高さは不満の大きさと比例するも言われるが、手は前より下がり、指を動かす頻度も減っている。だが、イライラ度合いが減ったはずはない。野党議員だけでなく国民が注目しているこの審査、感情的にならず、落ち着いて丁寧にという意識が強かったのだろう。

 答えに窮するような質問には、立ち上がり方も話し方もゆっくり。山本地方創生大臣が首相に代わって長々と答弁、「出てけ」と怒号が飛んだ時も、席から動かなかった安倍首相。ところが「加計を白紙に」と言われると、松野文科相が答え終わると同時にサッと出てきて、早口で答弁する一幕も。それまでにないスピード感から、やっぱりお友達は大事なんだ、という印象は拭えなかった。

 さて真実を知るのに、何も本人の仕草だけに注目する必要はない。ということで、注目したのは麻生太郎財務相の仕草だ。24日の衆議院予算委員会、答弁に立つ首相の後にはずっと麻生大臣の姿が。目をつむり、何やらゆらゆらと頭が揺れ船を漕いでいるのかと思いきや、首相の説明にうなずいたり、首を振ったり。きっちりと答弁は聞いている様子だ。もちろん、大臣本人は自分の仕草が分析されるなんて、思ってもいないはず。

 国家戦略特区の諮問会議の議論に、「これまでの岩盤に風穴を開ける」という首相の発言に何度もうなずいたものの、「議論が私に報告されることはない」に答弁には、大臣は目をつむったまま首を横に振った。

 行政に対する働きかけについて、首相が「私は正直にお話させていただいている」と言うと目をつむったまま首を横に振り、背広の胸元に手を入れる。「私から具体的に指示を受けた者はいない」という答弁には首を左右に振るが、「私は指示をしていない」という言葉には軽くうなずいた。

 特区の諮問会議で「事前に説明はない」という首相には、うなずいたものの、続けて首を横に振り、「私は何の働きかけもしていない」という発言には無反応。
 
「意図を知っていたら辞任するか」という野党議員の質問には、「知っていようがいまいが、便宜を図ることはない」と答えた首相の後で、大臣は頭を揺らして含み笑い。「加計氏が依頼したことはまったくない」という発言にはうなずいたが、「適切なプロセスを踏んだ」という発言には無反応。

 首相が「予算と関係ない議論に委員会を費やすことになって反省」といった時は、目を開けて深くうなずき「そうだ」と呟いたように見えた。

 麻生大臣が、真相をどこまで知っているのかはわからない。だが大臣の仕草を、うなずきをYES、首振りをNOとして意地悪く読み解けば、議論は報告されていたし、首相は正直に話していないということになる。具体的でなくても、それを指示と捉えた者がいた可能性もあれば、働きかけがなかったとも、適切なプロセスを踏んだとも、大臣は思っていないと推測することもできる。加計氏からの依頼はないという発言にうなずいたのは、こういう間柄こそ阿吽の呼吸と忖度、ストレートな依頼などあるわけがないということだろうか?

 逆に麻生大臣の仕草を良心的に解釈すると、「議論が報告されることはない」という発言には「そんな報告ない、ない」という意味で首を横に、「具体的に指示を受けた者はいない」には「そんな者、いないよ、いない」と首を振ったのかも…。

 でも「私は正直にお話させていただいている」という首相の発言に、大臣が首を左右に振ったのはなぜ?

 さて、皆さんなら、どう考えます?

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