ゴミ屋敷の住人7割が女性で圧倒的に多い職種もあると社長

「10部屋に1部屋はゴミ屋敷化していると思った方がいい」と、清掃会社の社長談

記事まとめ

  • 年間700件以上のゴミ屋敷の清掃を請け負う清掃会社の社長が、ゴミ屋敷の実態を話した
  • ゴミ屋敷は「一戸建て」のイメージが強いが、マンション内のゴミ屋敷が急増とのこと
  • ゴミ屋敷化してしまう人の共通点は「カーテンを開けない」「7割が女性」と話した

ゴミ屋敷の住人7割が女性で圧倒的に多い職種もあると社長

ゴミ屋敷の住人7割が女性で圧倒的に多い職種もあると社長

ゴミ屋敷の住人に多い職業は看護師

「10部屋に1部屋はゴミ屋敷化していると思った方がいいです。大型マンションだと1棟に1割くらい」と話すのは、清掃会社『まごのて』社長の佐々木久史氏。清掃業と遺品整理代行を手がける同社は、年間700件以上のゴミ屋敷の清掃を請け負っている。

 ゴミ屋敷は文字通り、公道にまでゴミを溢れさせる「一戸建て」のイメージが強いが、今は様変わり。総務省の統計によれば、過去50年で集合住宅住まい世帯が18%から42%に急増しており、これに比例する形でマンション内のゴミ屋敷が急増しているのだという。

「マンションの場合、外から各戸は見えないので、問題化しづらいんです。室内を清潔にしているのにゴキブリが大量に出るという部屋は、隣の部屋がゴミ屋敷化している可能性がある」(佐々木社長)

 事実、都心のある賃貸マンションの管理会社によれば、「住人の退去後に初めてゴミ屋敷化が発覚するケースが、ここ数年で急増している」と証言する。傷んだ部屋を修繕するにも敷金だけではとても足りず、大家が頭を抱える事例が散見されるそうだ。

 佐々木社長によれば、自宅がゴミ屋敷化してしまう人には共通点があるという。

「カーテンを開けない人です。天気がいい日も全て閉め切り、部屋の空気を入れ換えていない家はゴミ屋敷になりやすい。ちなみに性別でいえば7割が女性です。理性が働かなくなり、際限なく堕ちていく。職業は圧倒的に看護師が多い。それも町の小さな病院ではなく、大病院勤めの人。私なりの仮説ですが、彼女たちは“死に最も近い現場”で働いているでしょう。日々神経をすり減らすので、家に帰っても自分のケアができない。仕事で受け取る“負のオーラ”にのまれているように思います」(佐々木社長)

 女性のゴミ屋敷につきものなのが、使用済みの生理用ナプキンと、腐った食材。それらが床を埋め尽くし、足の踏み場もないという。逆に男性のゴミ屋敷は、同じ弁当の容器でも完食しており、乾いたゴミが多い。

「ほとんどが独身世帯ですが、まれに家族単位の所もあります。子供は生まれた時からゴミ山で生活しているから、不思議にも思ってない。以前、そういう家の清掃をやった時は、幼児がお絵かきでゴキブリを描いていた。“ゴキブリって噛みついてくるんだよ”と教えてくれて。完全に虐待ですよ」(佐々木社長)

 佐々木社長がこれまで遭遇した最悪の現場は、ある40代女性がひとりで暮らす1Kの部屋。

「ゴミが天井まで積み重なるのは序の口。便器は汚物で詰まり、浴槽にも大量の排泄物を溜めこんでいた。周囲にはウジ虫が大量に発生し、もちろんゴキブリもいたるところにいる。ベッドにはきのこまで生えていました」(佐々木社長)

 依頼者は、この状況で会社勤めをしていたというのだから驚きである。それまで普通に生活していた人間が、恋人との別れや家族との死別等で精神的に落ち込み、一気にゴミ屋敷化する例も少なくないという。

「トラウマというか、心の傷が原因だったりね。今は人間関係が希薄なので、支える人もいない。ゴミ屋敷は、ある種の現代病なんです。最近は電車に乗っていてもにおいでわかる。あぁ、この人ゴミ溜めで生きてるな、と。名刺を渡したくなりますよ(苦笑)」(佐々木社長)

 ちなみにゴミ屋敷が発生しやすいエリアもあるそうだ。

「都内だと、新宿から武蔵野にかけての中央線沿い。区でいえば新宿、中野、杉並あたり。大学があって、ひとり暮らしの学生が多いのが要因だと思います。逆に少ないのは葛飾、荒川、台東など東京の東側。人情深い下町の名残で、ゴミ屋敷になる前に隣近所の人が異変に気づいて介入するんです。この傾向は関西でも同じ。閉鎖的な京都がいちばん多く、兵庫、奈良の順に続く。意外にも大阪は少ないんです」(佐々木社長)

 時にはうるさく感じられる他人の目が、ゴミ屋敷の繁殖を防いでいる。

※女性セブン2017年10月19日号

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