田嶋陽子氏、女性に「男らしさ」の重要性説く 舛添氏もエール

田嶋陽子氏、女性に「男らしさ」の重要性説く 舛添氏もエール

「男らしさ」にももの申す田嶋陽子氏(撮影/菅井淳子)

 今、田嶋陽子さん(79才)を再評価”する声が日増しに高まっている。きっかけは2019年秋だった。創刊まもないフェミニスト雑誌『エトセトラ』が「We Love 田嶋陽子!」と銘打って一冊丸ごと田嶋陽子特集を組んだこと、そして1992年に出版された田嶋さんの著書『愛という名の支配』が新潮文庫で復刊されたことを機に、新聞、ラジオ、雑誌などが続々と田嶋さんをフィーチャーするようになったのだ。いまなお不平等が残る時代に女性はどう生きるべきか。

 カギを握るのは「男らしさ」だと田嶋さんは主張する。

「男らしさには、『指導力』や『経済力』『積極性』といった自立のための要素が含まれるのに、女らしさに含まれるのは『気遣い』『思いやり』『優しさ』といった主体性がなく他人を支える要素ばかりです。男にとって都合がいいからそうなったわけで、女性が女らしく生きても男に仕える人にしかなれず、自立はできません」(田嶋さん、以下同)

 だからこそ女性は「こっそり男らしく生きる」ことが必要になると田嶋さんは説く。

「マナーは女らしくても生き方は男っぽい方がいい。女はもともと“人間”ですから、自分のなかにある男らしさが育てば、自立した人間になれます。抑圧されて意地悪になった女性でも、その“意地悪さ”を男らしさに転換すると“統率力”や“リーダーシップ”になる場合だってある。ただし私みたいに大っぴらにやったらいじめられるから、“こっそり”が大切ね」

 本誌・女性セブンのインタビューの中で何度も田嶋さんは“知識をつける”大切さを口にした。

「勉強して力をつけて、それをもとに交渉することが大事です。日本は法律も制度もまだまだ男性中心で、女性はさまざまな不利益を被っています。まずはそうした現実をしっかり勉強して、何に不満で、何を求めるかを自分に問いかけてほしい。そのうえで夫婦ならば週末のお昼ご飯は作らないとか、洗濯は夫にしてもらうといった小さな交渉から始めてみたらどう? 愛という名のもとに、すねてばかりいても何も変わらない。とにかく女性はひとりの人間としてもっと自由に自分を生きるべきです」

 田嶋さんが30年かけて切り開いたフェミニズムはいま、さらに多くの人に寄り添うことを求められている。女性や社会問題を研究する富山大学非常勤講師の斉藤正美さんはこう言う。

「格差社会が広がり、女性の置かれた状況もより厳しくなっています。田嶋さんがセクハラを当時テレビで率先して取り上げたように、トランスジェンダーの女性や貧困で悩む単身女性など、現在厳しい立場に置かれている人たちに寄り添っていくことが求められるでしょう」

 よみがえった「宿敵」に国際政治学者・舛添要一さん(71才)はこんなエールを送る。

「いまはDVや虐待、セクハラやパワハラなどのハラスメントに厳しい目が向けられますが、田嶋さんは昔からこうした問題に着目していました。現在、日本における特に与党の女性政治家たちはみんな、男を立て、フェミニズムの立場に立とうとしない。だからこそ、なおさら田嶋さんの存在感が増しているのだと思う。彼女の復権は世の中がまともな方向に向かっている証でもある。どうか、長生きしてほしい」

 インタビュー後の写真撮影でカメラに向かって歩いてもらう一幕があった。田嶋さんは笑顔で、カメラマンがたじろぐほどのスピードでレンズに向かってずんずん歩いていき、笑顔でシャッターにおさまった後、あっという間にカメラマンを追い越した。

※女性セブン2020年4月16日号

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