小野寺防衛相が憤慨? 森本参与が提出した「謝罪文」の波紋

森本元防衛相が次期戦闘機の導入についての座談会中止 背景に小野寺防衛相の憤慨か

記事まとめ

  • 森本元防衛相が次期戦闘機の導入についての座談会を企画したが、中止を発表し謝罪した
  • 突っ込んだ内容の資料も必要とされていたため、機密漏洩を危惧する声が出ていたという
  • それを知った小野寺防衛相が「一切聞いていない」と憤慨し、森本氏と話し合ったらしい

小野寺防衛相が憤慨? 森本参与が提出した「謝罪文」の波紋

小野寺防衛相が憤慨? 森本参与が提出した「謝罪文」の波紋

小野寺五典防衛相(写真:AFP=時事)

 北朝鮮情勢対応に慌ただしい防衛省内で1枚の文書が物議を醸している。「日本の次期戦闘機座談会参加メンバー各位」と題された書面には、差出人として森本敏氏の名前があった。元防衛相で現在は防衛大臣政策参与を務めている。そこに記されていたのは同氏による「謝罪」だった。

〈省内要職にある方々の中に、本件プロジェクトに対する反対意見や懸念が広がり、本省関係者を含め、以降の座談会参加を控えるよう指示が出された〉

〈省内に「要らざることをする奴」との強い反対が起こるようでは、到底、実現はおぼつかず、小官の基本的な対応の誤りという結果になりました〉

〈多くのメンバー諸兄や関係要人には多大なるご迷惑をおかけし、また極めて不快な思いにさせてしまったことにつき衷心より深く深くお詫び申し上げます。現時点ですべての活動を停止します〉

 一体、何があったのか。防衛省幹部が明かす。

「この座談会は、森本氏が防衛省幹部や国会議員、重工業企業顧問などを招いて開いた研究プロジェクトだ。自衛隊が保有する戦闘機を分析し、次期戦闘機の導入について議論しようというもの。その目的ゆえ戦闘機の性能などについてかなり突っ込んだ内容の資料も必要とされていたため、省内には“機密漏洩に繋がりかねない”と反対意見が上がっていた。それを知った小野寺(五典)大臣は“一切聞いていない”と憤慨したようだ」

 9月19日の夕方、小野寺氏と森本氏の話し合いがもたれた結果、プロジェクトは停止となり、森本氏からメンバーに前掲の文書が送られたのである。

「防衛相時代にオスプレイ導入を推進するなど米軍装備の導入に積極的な森本氏には省内で反対意見が多い。小野寺大臣としても、元大臣に“主”のように振る舞われては体面が悪いと感じているのかもしれない」(同前)

 この件について森本氏に尋ねると、

「もう解散した勉強会なのでコメントすることはありません。機密に触れるような会ではなく、情報漏洩という指摘はあたらない」

 と答えた。防衛省はこう回答した。

「大臣は9月中旬に森本参与から座談会について報告を受けた際、次期戦闘機の機種設定に無用の誤解を招くことのないよう慎重に対応すること、戦闘機に関する研究について公表する場合は政策参与の立場もあることからよく相談することを指示しています。これを踏まえ、森本参与の判断で座談会を中止したと承知しております」(広報室)

 北朝鮮リスクが高まる中、防衛省内に軋轢が生じるような事態が起きているとすれば国防に不安が残る。

●取材協力/時任兼作(ジャーナリスト)

※週刊ポスト2017年11月24日号

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