山尾志桜里氏×望月衣塑子氏 「女」を巡る政治を語り合う

不倫疑惑の山尾志桜里氏「私はもともと、公私にはラインを引いてきたつもりです」

記事まとめ

  • 山尾志桜里・衆院議員が学芸大附属大泉中、学芸大附属高の後輩で東京新聞の記者と対談
  • 「自分の私生活の中まで土足で踏み込まれているとの思いがありました」と山尾氏は語る
  • 「稲田朋美氏の日報問題や蓮舫氏の二重国籍問題など、女性議員へのリンチ」と望月記者

山尾志桜里氏×望月衣塑子氏 「女」を巡る政治を語り合う

山尾志桜里氏×望月衣塑子氏 「女」を巡る政治を語り合う

先輩後輩の中、山尾志桜里衆院議員と東京新聞の望月衣塑子記者

 11月中旬の平日正午。国会議事堂を眼前に望む議員会館の一室に、取材資料を詰め込んだキャリーケースを引いて東京新聞の望月衣塑子記者(42才)は現れた。「昨日、関西の支持者を回って声が潰れました」と咳払いをする山尾志桜里・衆院議員(43才)。学芸大附属大泉中、学芸大附属高の先輩・後輩の2人の対談は、「ひさしぶりだね」の第一声から始まった。

〈話題はミュージカル『アニー』から始まった。〉

望月:小学6年のとき、地元の児童劇団の発表会で、『アニー』の主役を演じたことがあるんです。ちょうどその頃、私が進学する中学校の1年生にもアニーを演じている子がいるって話題になっていました。それが山尾さんでした私、1年先輩の山尾さんに憧れていたんですよ。高3の文化祭でも『ウエストサイドストーリー』の主役を演じていて、歌も踊りも上手で、本当に素敵でした。

山尾:望月さんは足が速くて、少年のように活発な印象でした。でも、アニーをやっていたのは知らなかったなぁ。小6と中1の2年間、青山劇場でアニーを演じました。今になって、あの頃に演じたアニーの“果てしなく明るく強い意志”が心の支えになっていると感じているんです。

――「両親は生きている」と信じて孤児院を飛び出し、ホワイトハウスで閣僚たちに希望を持つことの大切さを説く少女アニーの物語は、困難に屈せずにひたすらに前を向いて進むことが道を拓いてくれることを教えてくれる。

 不倫疑惑のスキャンダル報道で厳しい戦いを余儀なくされるも、10月の衆院選で当選した山尾志桜里議員。官邸会見で積極的な質問を繰り返し、政権支持者から容赦ないバッシングを浴びても、ひるまずに質問を投げかける東京新聞の望月衣塑子記者。成長した2人の「アニー」は逆風の中でも前に進み続ける。

 テレビ画面では大きく見える山尾議員と望月記者だが、ともに身長は150cmそこそこ。小さな体にパワーを秘めた2人の女性が語り合った。山尾議員は9月のスキャンダル報道を受け、「男女の関係はありません」と釈明。彼女は最近、相手と報じられた弁護士を政策顧問として迎えることを表明した。反発も予想されながら、なぜ山尾議員は決断したのか。

山尾:選挙中、男性有権者から『あなたは子育ての何割を担っているのか』と聞かれたので、『私が男性候補者でも同じ質問をしますか』と尋ねました。永田町では、女性議員だけが『子育てと仕事は両立できているか』と聞かれます。

 この数か月、自分の私生活の中まで土足で踏み込まれているとの思いがありました。女性議員のほうが私生活を露わにするべきだという要求が高いのは自然なことなのでしょうか。私はもともと、公私にはラインを引いてきたつもりです。家で料理はするのか、子供とは遊んでいるのかと問われても、私の政治家としての領域とは無関係と考えてきました。今回のことも同じです。

 もし私生活まで土足で入られることをここで私が認めたら、後に続く女性政治家が現れません。先進国の中でも日本の国会に女性議員が極端に少ないのは、そういう理由があるのではないでしょうか。『常識を超えている』『理解しがたい』とテレビのコメンテーターに批判されますが、私にとっては嬉しいコメントです。“永田町界隈の常識を変えること”が必要だと思っているのですから。

望月:常々思うのですが、稲田朋美さんの防衛省の日報問題や蓮舫さんの二重国籍問題でも、男性記者は明らかに言葉の強い厳しい質問を繰り返していました。記者だけでなく男性議員のなかにも女性議員を執拗に追及したいという気持ちが蔓延しているように感じます。ニュースであれだけ異様に取り上げることもリンチにしか見えず、女性議員に対する報道のあり方は見直されるべきです。

 モリカケ問題はスキャンダルよりもっと重要な国家レベルの問題じゃないですか。山尾さんや稲田さんを執拗に追及してきた男性記者の半分でもいいので、官房長官の定例会見に出て、女性議員を追及するのと同じ熱量で厳しく追及してはどうかと思います。

※女性セブン2017年11月30日・12月7日号

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