新型コロナ治療薬で注目のアビガン、正式承認いつになるのか

新型コロナ治療薬で注目のアビガン、正式承認いつになるのか

希望する国には無償で供与される(写真/AFLO)

 全世界に広がる新型コロナウイルス感染症。4月7日、東京都や大阪府をはじめ、大規模な感染拡大が予想される7都府県に「緊急事態宣言」が出されたが、この段階ですでに、国内感染者は4000人超となっていた。

 新型コロナウイルス感染症は全世界に広がり、待ち望まれるのはワクチンの開発だ。米ハーバード大学元研究員で、内科医の大西睦子さんが、世界で進んでいる治療薬開発の現状を解説する。

「新型コロナウイルス感染者急増により、世界中の医療機関が疲弊する現在、完全な新薬の開発を悠長に待っていられません。そこで、すでにほかの病気に対して承認され安全性が把握できている薬を転用する方向で準備が進められています」

 候補に挙がった薬剤はいくつかあり、世界保健機関(WHO)はその中でも有望な治療法に対して、大規模な臨床試験を開始した。

「WHOは4つの薬剤について治験を開始。抗ウイルス薬の『レムデシビル』、HIV薬の『ロピナビル・リトナビル配合剤』、抗マラリア薬の『クロロキン』と『ヒドロキシクロロキン』、そして肝炎などのウイルス性疾患に用いられるインターフェロン製剤についてです。これらは、新型コロナに対する効果が期待されていて、グローバルな大規模試験で科学的な臨床データを収集しようという試みです」(前出・大西さん)

 なかでも、利用できる可能性が高いとされるのが『レムデシビル』だという。大西さんが続ける。

「インフルエンザ治療薬として有名な『タミフル』の特許を持つアメリカのギリアド・サイエンシズ社が、エボラ出血熱の治療薬として開発した薬です。アメリカでは新型コロナ感染症の患者に投与された例があり、医師らが『回復は困難』と考えていた青年患者を生還させたと報告されています」

 レムデシビルは臨床試験の最終結果が5月に出る予定で、遅くとも今年中の実用化が見込まれている。

 世界で治療薬の開発が進む中、安倍晋三首相は新型インフルエンザ治療薬として開発された『アビガン』の新型コロナ治療薬としての正式承認のプロセスを進めると発表した。

 アビガンは新型コロナにも効果があるのか。開発に携わった千里金蘭大学副学長の白木公康さんが話す。

「中国の研究で治療効果が示され、発症後6日までにのむと、平均4日で新型コロナウイルスが消えるという結果が出ています。肺炎の後遺症も最小限にでき、その患者が高齢になっても呼吸機能は保持できると考えられています」

 4月3日、政府はアビガンの提供を要請する約30か国に、無償供与する方向で調整していることを明かした。世界からも注目されるこの治療薬、日本では市場に流通していないものの、医師と相談し、国立国際医療研究センターから配布を受ければ使用可能だという。

 また正式な承認に関しては、現在、治験の最終段階である第3相臨床試験に進んでおり、6月末にも終了する見通しだ。

「早ければ7月以降。そう遠くない時期に期待できるでしょう」(白木さん)

 気になるアビガンの副作用だが、尿酸値の上昇や、胎児に影響する可能性があるため妊婦は使用できないなどの制限がある。一方、感染を予防するワクチンの登場について、大西さんはこうみている。

「最新情報では、米国と中国を中心に60のワクチン候補の研究が進んでいます。多くはウイルスの一部を抗原として、免疫を誘導するワクチンを作るのですが、利用可能になるまでに、少なくとも1年〜1年半ほどかかるでしょう」

 まずは治療効果が見込める薬を。アビガンが特効薬になるか否か世界中が見守っている。

※女性セブン2020年4月23日号

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