テレワークで出社組と在宅組に溝「電話向こうからTVの音…」

テレワークで出社組と在宅組に溝「電話向こうからTVの音…」

やっぱり家のほうが良い?(写真/AFLO)

 突然のリモートワーク推奨、同じ会社に勤めているのに働かなければならない人もいれば、働かせてもらえない人もいる。そこには、それぞれの不満と憂鬱が──。

 都内の広告関連会社に勤めるAさん(40代)は、苛立っていた。新型コロナの感染防止対策で、納得がいかないことがあるという。

「うちの会社では半数が在宅勤務で、50代のベテラン社員ほど『基礎疾患があるから感染すると危ない』と早々にテレワークに入っています。

 それは必要な対応だとは思うのですが、在宅社員が自宅から『会社のシステムに入れない』『Wi-Fiがうまくつながらない』と電話してきて、会社に出ている後輩社員の仕事の手を止めるんです。なのに仕事の電話中でも向こうからはテレビの楽しそうな音が聞こえてくる。

 パソコン設定を説明するほうが面倒なので、『僕が代わりにやっておきます』と仕事を引き受けていると、結局、出社組の負担ばかりが増えるんです。飲食店の営業自粛でこっちはろくな昼食も食べられないのに“時間があったからスパイスカレーを作ってみた”なんて話をされた時にはこちらも帰ろうかと思いましたよ」

 Aさんの会社では出社組と在宅勤務組で不公平感が生まれているようだ。多くの企業が政府の要請に従い、一部の社員をテレワークにするなどの対応をしている。だが、業種や部署によってはできないことがある。

 緊急事態宣言の自粛要請の対象外となっている業種には、食品や医薬品などの製造・流通や社会インフラ系業種などがあるが、特にそれらの“現場”ではテレワークを導入できないことが多い。製薬大手の武田薬品工業も同様だという。

「原則、在宅勤務を指示しています。MR(医薬情報担当者)はもちろん在宅ですが、この状況なので情報提供やプロモーションといった業務は行なっていません。しかし当社は製薬メーカーであり、医薬品は作らねばなりません。だから工場はフル稼働です。研究所もラボで研究する社員は出勤しています」(広報担当)

 ユニクロ(ファーストリテイリング)は緊急事態宣言が出た地域に(独自の緊急事態宣言をした)愛知と岐阜を加えた9都府県の約200店舗を臨時休業にしたが、独立型の路面店では時短営業を行なっている。

「休業店舗の従業員は在宅勤務になります。営業している店舗の従業員やパート、アルバイトで不安を感じている人もいるので、シフト上の配慮や有休対応などをしています。緊急事態なので、休業店舗と営業店舗の従業員に、『働けない』『休めない』というそれぞれの事情はありますが、そうした不満はあがっていないので、現段階では格差があるとは感じておりません。今後、その検討も含めての判断はあるかもしれません」(ファーストリテイリング広報部)

※週刊ポスト2020年5月1日号

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