元民主・藤井裕久氏「立憲民主も国民民主も皆、頭が良すぎ」

元民主・藤井裕久氏「立憲民主も国民民主も皆、頭が良すぎ」

元財務大臣の藤井裕久氏(時事通信フォト)

 政治がおかしい、政権がおかしい。皆がそう思っても、その声は届かない。首相は自らに賛同を示す「いいね」以外、受け付けないからだ。いま官邸に何をつきつけるべきか、元財務大臣で民主党の重鎮だった藤井裕久氏(87)が語る。

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 今の官邸はバランスを欠いている。官邸官僚が安倍総理が喜びそうな提案を露骨に行なっている。星野源とのコラボ動画やマスク2枚なんて最たるものでしょう。総理が喜ぶと思って、世論から大幅にずれた提案をする。偏っているのでコケるときは大コケになります。

 私も官邸官僚でした。佐藤政権と田中政権で官房長官秘書官を務め、岸政権では官房長官補の下で働いていました。当時の官邸官僚はバランス力のある役人ばかりで総理や官房長官を支えていた。

 しかし、今の官邸官僚はそうではない。偏った人、総理に近い人がなっているように思います。今、官邸が内閣人事局を牛耳り、官邸に都合の良い役人ばかりを集めているからです。役人の方も、官邸で働きたい者はそうしたアピールをする。

 この内閣人事局という構想は民主党が推進したもので、変な役人が偉くなるのを阻むことが目的でした。各省庁の官僚機構が、組織の改革を阻む、潰す、はたまた無暗に強権を振るう。それをさせてはならない。政治がリーダーシップを取れるようにという考えではあっても、決して、政治家が自分の思い通りに世の中を動かすためのものではなかった。

 今の安倍官邸は、内閣人事局を悪用して安倍総理の思想に合う政策運用を極端な形で行なっているということです。

 野党も駄目です。立憲民主も国民民主も皆、頭が良すぎる。論理的で自分の政策とちょっとでも違うと、「敵」とみなしてしまう。だからいつまでたっても野党共闘などできない。枝野幸男さんもなかなか頑なだ。野党ごとのちょっとした政策の細かい違いを容認できないようでは、国民の支持は得られない。

 コロナ有事にあたっては、「野党は与党に協力すべきだ」という意見も多く聞かれます。が、信頼できない安倍政権に協力することは無理。やはり選挙をすべきでしょう。選挙で国民の信を問うのです。

 その結果、野党が負けても、国民は安倍政権にノーを突きつけることができる。有事だから選挙ができないということはありません。有事だからこそ、正しい政治を行なえる総理に代えねばならないと思っています。

【プロフィール】ふじい・ひろひさ 1932年生まれ。1977年初当選。大蔵大臣、財務大臣、内閣総理大臣補佐官、自由党幹事長兼政調会長、民主党幹事長、民主党代表代行などを歴任。

※週刊ポスト2020年5月8・15日号

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