「マスクはシノギにはならない」暴力団関係者が語る裏事情

「マスクはシノギにはならない」暴力団関係者が語る裏事情

マスクはこの先まだ高騰?

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、なかなか解消しないマスク不足と価格高騰の裏事情を暴力団関係者が明かす。

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 未だに、全国的な品薄状態が続いているマスク。使い捨てマスクの仕入れ値が7倍にもなっているというニュースが報じられる中、これが“稼業”の人たちのいいシノギになっているという話を耳にした。この噂は本当なのか、暴力団幹部に聞いてみた。

「売り買いはしているけど、シノギというほどにはならないね」

 新型コロナの感染が世界的に拡大を始めた2月、マスクの仕入れ値は1枚5円だったという。

「100円ショップで7枚入りとかで売っていたやつと同じ、中国産の白いマスクだ。それが3月の初めには10円になり、3月の終わりには30円になった」

 組織内で、大がかりにマスクの配布をしている組はないらしい。だが、どの組も上層幹部には高齢の者も多い。マスクは必需品のため、それぞれの組の組員が独自の供給ルートを確保しているようだが、その仕入れ値も上がっている。

 ある記事によると、使い捨てマスクの仕入れ値は1枚あたり従来は5〜7円、現在は35〜50円に高騰している。100円ショップでは30枚入り100円という品もあったというから、その仕入れ値はさらに安かったに違いない。値上がりの理由は原材料価格の高騰や世界中で起きている調達競争だ。日本に輸入される量がこれまでより圧倒的に少なくなったのかと思っていたが、そうではないらしい。確かに巷では、雑貨店や飲食店の店先で、見慣れぬマスクの箱が売られていることがある。

「実際は、中国からかなりの量が流れてきている。ドラッグストアなどにないのは、単価が高くなっているので、敢えて仕入れをしないんだろう。今まで100円で売っていた物を、いきなり300円では販売できない」

 仕入れができないのか敢えてしないのか。どちらにしろ日本国内に輸入されていても従来の値で仕入れができないのは、マスク取扱業者も稼業の人たちも同じらしい。

「4月初めに知り合いから聞いた話は、1枚46円で在庫は140万枚。小口になるほど値段が上がり、5000枚だと1枚税込70円。高いよな」

 そのマスクを購入したのか聞くと、買わなかったと返事は素っ気ない。46円は高いが140万枚の在庫量だ。傍目には扱う量が多ければ多いほどいいシノギになるのでは?と思うのだが、現実はそう甘くはないらしい。

「マスクは現金商売。140万枚注文するなら6400万円は用意しなければならない。そこまでのリスクは取れないな。この商売、せいぜい100万〜200万円の取引がいいところだ」

「なぜかって? マスクは1箱2500枚入りの段ボールで送られてくる。普通車で運ぶには4箱が限界だ。3万枚以上購入するならトラックでもないと運べないから、レンタカー代がかかってくる。1000枚の小口でも50枚入りの小売り用の箱が20箱になる。近県でも、それなりの送料がかかることになるんだよ」

 配送料上乗せ価格で販売すればとも思うが、今の世情ではそれだけの手間暇をかけ、配送など手配するだけでも大変になってくる。さらに、問題はそれだけではないと話す。

「マスクはかさばる。欲しいやつは何万枚とか簡単にいうが、かさばる品物だということをわかっていない。でかい段ボールで運ばれてくるんだ。置いておくには保管場所が必要になる。場所まで確保していたら割に合わない。だから買い手は都内か近県、すぐに引き取りに来れるやつ限定だ」

 ドラッグストアのように倉庫か広い事務所でもあれば話は別だが、稼業の人たちがシノギになるからと大きく商売するには、案外ハードルが高いらしい。

「今の仕入れは1枚50円。仕入れ先の元値は量によって違うが35円〜40円程度だろう。それを50円で買い60〜70円で売る。買ったやつは小分けにして5枚500円に消費税くらいで売るんだろう」

 このマスクは、不織布の三層構造、ウイルス飛沫99%カット、レギュラーサイズ、色は白。1枚50円といえば報じられている今の仕入れ値と変わらない。稼業といえど現状は厳しい。仕入れはできても、安値で購入できないのが現実なのだ。

「1枚50円で1箱の仕入れ値は2500円、それを3000〜3500円で売る。値段は相手によりけりだ」

 儲けは1万枚で10万円から多くて20万円。

「地方の小さな薬局や雑貨店が数万枚欲しいといってくるんだが、レンタカー代、高速代、ガソリン代を考えているのかね。10万枚欲しいというやつもいるが本当に運べるか、どこに置くのかって話だ」

 かさばるマスクは、そう簡単に右から左へ売り買いできる代物ではないという。注文してきたはいいが金が用意できない、置き場所に困ったなどでキャンセルでもされたら商売にならない。買い手は選ばなければならないのだ。

「大口の注文には、最初に半金を払わなければ発注しないと答えている。マスクでシノギといわれても、実際そんな簡単には儲かりませんよ」

 中国では不織布不足で、生産が今までの10分の1ほどになるらしいという情報があると幹部は話す。国内でも材料が追い付かず、生産工場が少ないなど様々な問題がある。マスクの値段は、この先まだまだ上がるかもしれない。

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