初代復興相 震災の検証が生きたようにコロナの失敗から学べ

初代復興相 震災の検証が生きたようにコロナの失敗から学べ

元・復興担当大臣はコロナ対策をどう見る?(写真/共同通信社)

 今回の新型コロナをめぐる日本政府の対応をどのように評価するべきなのか。また過去の災害などでの対応とどう違っているのか、東日本大震災後の初代復興大臣を務めた平野達男氏(65)に語ってもらった。

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 日本は新型コロナに対する判断を、甘く見過ぎていました。その結果、後手後手の対応になってしまった。

 感染症というと、日本は台湾や韓国、中国と違ってSARSやMERSでは大きな被害がなかった。2009年の新型インフルエンザは日本でも900万人の感染があったとされるが、翌年3月に終息宣言を出せた。

 このようにMERSの被害がなく、新型インフルエンザを抑え込んだという成功体験が今回の初動の遅れ、新型コロナを甘く見すぎた背景にあったのではないか。その点、台湾や韓国は感染症の教訓を生かした。

 政治には失敗の検証作業が非常に重要なのです。

 東日本大震災のとき、私ら(民主党)も本当にだらしなかった。津波に対する防災の脆弱性がありありと分かりました。

 この時の検証作業は、震災の翌年秋から行なっています。被災地・岩手出身の復興担当大臣として、私もその検証に参加しました。

 その結果、安倍政権では地震や台風、大水などの災害に政府が迅速に対応している。「自民党だからできた」と言っていますが、民主党政権のときの東日本大震災の失敗の検証が生きているのだと思います。

 その一方で、原発事故の方は検証ができていません。事故の後、政府事故調と国会事故調が立ち上がり、双方とも報告書を出した。しかし、そのフォローアップは全く行なわれていない。2013年以降、検証作業が止まっているからです。私が自民党に移ってからも、この点は何度も指摘したけれど、何も動きません。

 今回の新型コロナ対策についても、厚労省はPCR検査に消極的だったという。それなりの根拠があったのでしょうが、結果的にその判断は誤りだった。どうして初動が遅れたのか、どういう体制を普段から準備しておくかなどの検証作業をした上で、その教訓をまとめねばなりません。原発事故のようにおざなりにしてはなりません。

【プロフィール】ひらの・たつお/1954年生まれ。2001年初当選。防災担当大臣兼東日本大震災復興担当大臣、復興大臣(初代)などを歴任。

※週刊ポスト2020年5月8・15日号

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