ポストコロナ 今までの行いを反省しなければ都会人は絶滅する

ポストコロナ 今までの行いを反省しなければ都会人は絶滅する

各国で新型コロナのワクチンや治療薬の開発が進むが、実用化しても世界中に行き渡るまで10年を要するという見解もある(写真/AFLO)

 新型コロナウイルス感染症が猛威をふるっている。そもそも、人類は何度となく感染症を経験してきた。感染症を克服した文明は生き残り、そうでない方が淘汰されるということが、人類の歴史では繰り返されてきた

「ポストコロナ」時代は、いままでとは異なる社会になるであろうことを覚悟しなければならない。

 感染症流行地域の最前線で闘ってきた医師で、『感染症と文明──共生への道』(岩波書店)の著者、長崎大学教授の山本太郎さんはこう言う。

「人類の歴史は感染症との融和の闘いだったということはよくいわれますが、ここ20年の間にSARS、MERS、そして新型コロナと3度も出ているのは、少し度を越えた出現頻度のように感じます。経済成長を目指す必要はあるが、過度なグローバル化は感染症のリスクを高める。考え方を少し変える必要があるでしょう」

 これからの私たちは、感染症を視野に入れない未来を見据えることはできない。飛行機に乗って、国内外を誰もが自由に行き来できることが「グローバル」の基準ではなくなるかもしれない。

 では、どのような社会を目指すべきなのか。山本さんが続ける。

「今回、新型コロナウイルスで多くの人が外出自粛やテレワークを経験したわけですが、その経験を踏まえ、全員が持続可能なバランスを考えてみるべきです。人間はコミュニケーションによって快楽を感じる生き物ですから、完全にロックダウンするのは難しい。人の要求を満たしつつ、感染症に強い社会とは何かを考える局面に入ったと考えられます」

 視点を変えてみると、新型コロナによってプラスとなった要素もある。NASAの人工衛星測定データによれば、アメリカ北東部上空の大気に含まれる窒素酸化物は30%も減少したという。

 化石燃料を燃やして走る自動車や工場の操業が大幅に減り、空気がきれいになったのだ。インドからは空が澄んだことで30年ぶりにヒマラヤ山脈が見えたというニュースも伝えられた。

 こうした事実は、私たちに本当に大切なものは何かを教えてくれる。『ざんねんないきもの事典』(高橋書店)の監修を務める動物学者で日本動物科学研究所所長の今泉忠明さんはこう説明する。

「いまなら、人間が少し遠慮することで自然が復活できることを示していると思います。人間はこれまで欲深すぎた。ここで反省しなければ、少なくとも都会人は絶滅するでしょう。複数の強力なウイルスが同時に感染を広げる事態も今後、あり得ないわけではないのですから」

※女性セブン2020年5月21・28日号

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