アベノマスク つけ続ける安倍首相とつけない閣僚たちの怪

アベノマスク つけ続ける安倍首相とつけない閣僚たちの怪

賭け麻雀で辞任することになった黒川検事長(時事通信フォト)

 空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする女性セブンの“オバ記者”ことライター・野原広子(63才)が、世の中で起きる出来事にゆるくツッコミを入れる。今回のテーマは「『ゴリ押し』のはずが『見送り』って、結局のところ、なんなのよ!?」。

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『#検察庁法改正案に抗議します』

 やけにモノ堅いことを小泉今日子がツイッターでつぶやいた、と聞いてネットを開いたら、浅野忠信、井浦新、大久保佳代子、城田優…以下続々。さらにはツイッターのフォロワーが523万人超えのきゃりーぱみゅぱみゅがこのハッシュタグを使って意思表明。わずか2日で投稿数が600万件超えって、仮に1人で何回も繰り返し投稿してたとしても尋常な数じゃないって。

 そうなるとコメント欄での場外乱闘も激しくなって、きゃりーはとうとうツイートそのものを消去しちゃったけど、言い出しっぺの小泉今日子は、アベノマスクを「その汚らしさを具現化」「ここまでくると、怖い」と一歩も引かず。

「芸能人が政治に口を出すの、好きじゃない」と言う人もいるけど、そう? 私はそう思わないわ。だってみんないままでたっぷり税金を払ってきた人たちだよ。それが仕事が減って、急に家に居だして、政治家のやること言うことに注目しだしたら、「はあ〜?」と思わない方がおかしいって。

 前にも書いたけど、自民党の幹事長だった安倍総理を政治資金パーティーで見かけたとき、体から発するオーラに圧倒されちゃってね。そのときの残像でつい、彼をひいき目で見ていたの。それが、緊急事態宣言が出た4月7日以降、テレビで彼を見ると怒りで血圧が上がるんだわ。

 キョンキョンたちが反対している検察庁法改正案だって、ひどい話よ。これまで検察官の定年は63才と決められていたのに、お気に入りの黒川弘務東京高検検事長(63才)を手元に置いときたくて、定年延長を1月に強引に決めちゃった。それをちゃんとした法律にするために、国家公務員の定年を60才から65才に引き上げようという国家公務員法等改正案の中にまるっと入れた。この法律が動き出す2年後には、「内閣が認めれば、その年齢を過ぎても役職にとどまることができる」って、どんだけ黒川氏が必要なの!? 先の見えない不安でいっぱいの毎日を積み重ねているコロナ禍のさなかに法改正しようとするからには、よほどの理由があるんだな、と誰だって思うって。

 立憲民主党の枝野幸男代表がそれを「火事場泥棒」と面と向かって罵ったのに、安倍総理にはヌカに釘。“元安倍シンパ”の私からすれば、「ちゃんと説明してよ」と思わず拳を握っちゃったわよ。

 でも、立場が違えば見方も違ってね。逮捕されて検察官の取り調べをみっちり受けたホリエモン(堀江貴文さん)や元外務省職員の佐藤優さんは、「検察官は司法試験に合格しただけなのに権力を持ちすぎている。国民に選ばれた政治家が司法に口をはさめるようにした方がいい」と、検察庁法改正案に賛成なのよ。

 私の身近にも、「黒川さんのことさえなければ、いい法案だったんだよ」と言う人はけっこういたのよ。国家公務員の定年延長だって、何年もかけて議論してきたんだって。でもそういう人も例外なく、最後は「なんで妙なものを入れたのか」って言うの。

 でもって結局、法案見送り(5月18日時点)って何よ。なら最初からやるなって。思えば安倍さんって、しなくてもいいことをして、私たちを絶望のどん底に落とすんだよね。

 その最たるものがアベノマスクだと思う。「4月17日から配り始めます」ときっぱり言ったのに、その日から1か月たったいまも、届いたのは一部の地域だけ。5月14日夕方に、「39県で緊急事態宣言を解除します」と記者会見したけど、マスクの“マ”の字も出やしない。466億円の出費を総理の一存で決めたんだよ。それもどうかと思うけど、マスクの輸入代理店に怪しげな会社が紛れ込んでるわ、マスクにも異物が紛れ込んでいるわ。それで検品作業にさらに8億円かけるって、「非常時だから」じゃ済まないって。

 しかしこのマスク、いろんなものを見せてくれたよね。たとえば、金と号令だけじゃモノはできない、ということとか。アベノマスクをつけ続ける安倍総理の強情っぷりとか。その親分と同じマスクをつけた閣僚が1人もいなかったこととか。

 それでも総理大臣断トツ1位の長期政権。これをおかしいって、いま声を上げないでいつ上げるのよ!

※女性セブン2020年6月4日号

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