入院中に病院の廃業が決まり転院を打診された場合の注意点

入院中に病院の廃業が決まり転院を打診された場合の注意点

医療従事者によるストライキも発生(船橋二和病院フェイスブックより)

 病床数や人員不足による医療現場の“逼迫”が報じられる中、ついに経営がパンクしそうな病院が現われ始めた。コロナ禍で外来患者が減り、毎月の経営が赤字となっているところは少なくない。廃業となれば転院を強いられる。

 長い付き合いの主治医のもと、これまでのカルテがあれば、変わらぬ治療が受けられる。だが、小規模クリニックの場合、突然の閉鎖もあり得る。高崎健康福祉大学准教授の木村憲洋氏が語る。

「カルテは5年、レントゲン等は2年間の保管義務があるものの、所在が曖昧になるケースもあり、データがなければ検査をやり直す羽目になる。身体的にも金銭的にも余計な負担を強いられます。対策として、お薬手帳や検査後に手渡される結果票を必ず保管しておきたい。常用薬がはっきり確定できることは、とくに重要な要素です」

 入院中に廃業が決まり転院を打診された場合の注意点について、医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師がアドバイスする。

「紹介された転院先の情報を自分でも調べて、納得がいかなければ、しっかり『その分野の専門医がいること』などリクエストすべき。またカルテや検査結果のコピーも要求しましょう。これは患者に認められた権利です」

 病院破綻が相次げば、施設のキャパシティの問題などが生じ、軽症患者は「診療の必要がない」と言われたり、オペを先延ばしされるなどの「トリアージ」が起こり得ると木村氏が指摘する。

「通常1週間入院のところ2〜3日で出て行けということもあり得ますし、入院でなく在宅医療を勧められるケースも増えていくでしょう」

 今後は患者が難民化する時代となる。もしものことを考え、自分の病気だけでなく「かかりつけ病院がなくなった」時のことも考えておきたい。

※週刊ポスト2020年7月31日・8月7日号

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