見直されるマイカー 長距離運転も苦にならない「意外な5台」

コロナ禍で見直されるマイカー 長距離運転も苦にならない「意外な5台」紹介

記事まとめ

  • 新型コロナの感染拡大が止まらない昨今、マイカー移動を考える人は多いとみられる
  • コンパクトサイズでも長時間ロングドライブが苦にならないクルマ5台が紹介されている
  • ダイハツ・ミラトコットやトヨタ・シエンタ、ホンダ・シャトルなどが挙げられている

見直されるマイカー 長距離運転も苦にならない「意外な5台」

見直されるマイカー 長距離運転も苦にならない「意外な5台」

コロナ禍ではマイカーの長距離移動が増えている

 新型コロナの感染拡大が止まらない中でのお盆。帰省する人の中には、少しでも感染リスクを減らそうと、新幹線ではなくマイカーでの移動を考えている人も多いだろう。そこで、自動車ジャーナリストの井元康一郎氏に、たとえコンパクトサイズでも長時間のロングドライブが苦にならないクルマ5台を挙げてもらった。

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 新型コロナの影響で見直しの機運が出ているパーソナルモビリティの筆頭格、マイカー。自分の家族に感染者がいない限り、最も安全な移動手段であることは間違いなく、それが再評価につながっている。

 だが、マイカーにはネックもある。それは言うまでもなく購入、保有、使用にかかるコストだ。クルマを持つとなると、実にいろいろお金がかかるものだ。帰省や行楽に存分に使えるロングラン性能や、楽しさを持ちながら費用をある程度抑えられるクルマは何か。筆者が1000km超の長距離ドライブをやってみた経験に鑑み、記憶に残る5台を挙げてみた。

マツダ・デミオ(現・MAZDA2)

 マツダの自社ラインナップの中でボトムエンドに位置するサブコンパクトクラスの「デミオ」。過去に3400kmのツーリングをやってみたが、長旅の疲れの少なさは特筆モノだった。

 設計が全面的に素晴らしいというわけではなく、乗り心地はクラス標準を下回るのだが、良かったのはとにもかくにも変な体のこわばりの一切ない着座姿勢を取ることができ、座面のウレタンパッドの支持力も良いフロントシート。後席は狭いのが難点だが、こちらも着座姿勢は良好だった。

 先行車や対向車を避けてハイビーム照射するアクティブハイビームを装備しているのもこのクラスとしては世界的に珍しく、夜間走行もいささかもためらう必要はない。子供がいないか1人のヤングファミリー、あるいは独身者が長旅をするのにはうってつけだろう。

 燃費が良いのはディーゼルだが、価格がガソリン比で25万円ほど高いので、頻繁に長距離走行しないのであれば110psのガソリンで十分だ。

ルノー・トゥインゴ

 ヨーロッパのAセグメントミニカー「トゥインゴ」。日本ではさしずめ軽自動車に相当するクラスで、もっぱらシティコミュータ用途である……はずなのだが、3000kmの長距離ドライブをやってみたところ、これが実に素晴らしいミニカーだったのだ。

 シートは座面の高さと背もたれの2つしか調整機能を持たないのだが、6時間トイレ休憩もなしに連続運転をしても大腿部に鈍痛ひとつ起こらないという、まるで長距離トラックのシートのような出来で、片道500km超のドライブなど朝飯前という感じであった。

 荷室は狭いが2名乗車なら後席シートバックを倒せば長期旅行用の荷物も載せられるし、3名なら後席の片側を荷置き場に使えばいい。エンジンはすべて1000cc以下で、自動車税の恒久減税の恩恵を一番受けられるクラスであるというのも好感度大なポイントだ。

 難点は輸入車ならではの価格の高さで、自動変速機は200万円をわずかに越えてしまう。だが、5速MTのノンターボエンジンなら179万円。ファッション性も考慮するとかなり魅力的と言えるだろう。

ダイハツ・ミラトコット

 日本で維持費が安くてすむクルマと言えば何といっても軽自動車。だが、クルマとしての寸法は極小で、技術的、コスト的制約が多く、元来は長距離にはあまり向かないはずのクラスだ。

 しかし、最近の自動車工学の進歩とは恐ろしいもので、軽自動車クラスでもサイズや見た目を裏切るロングランナーがいくつか登場している。その軽モデルでもとりわけ印象的だったのは、ダイハツ「ミラトコット」だ。

 ベースモデルの低価格軽「ミライース」に毛が生えた程度の機能、性能しか持たないはずなのだが、実際に乗ってみると軽、普通車の枠を越えて素晴らしいフラット感を持っており、上下の揺すられは小さく、ハンドリングも低性能なりに秀逸な出来。4000kmをドライブしてみたが、どこまでもサンダル感覚で疲れず走れるという印象だった。

 軽は高速料金が安く、休日割引と組み合わさればフランスの高速道路で1kmあたりの通行料金が最も高い区間を走るくらいの出費で済むのも嬉しい。クルマに支払うお金はできるだけ安く、しかし遠くを旅したいというカスタマーには、筆者個人として最大級におススメできる1台である。

トヨタ・シエンタ

 4.26mという短い全長に3列シートをパッケージしたミニバン、トヨタ「シエンタ」。サブコンパクトの「ヴィッツ」をベースにホイールベースを2750mmまで拡張するという手法の作りからはとてもロングドライブに向くようなキャラクターは想像できないが、いざ走ってみるとこれが実に良いクルマだった。

 なぜもっと設計が楽なはずのヴィッツをこういう風にできなかったのかと思うくらい自然なハンドリング。背の高いミニバンにもかかわらず、カーブからの立ち上がりでのボディの揺り返しなども小さく、同乗者にも優しい。超ロングドライブには不向きだが、片道300km台のレンジであれば動きの良さゆえに逆にライバルに比べて優位なくらいだ。

 ハイブリッドは高価だが、ガソリン車なら車両価格200万円以下のグレードも用意されており、それでも仕様的に十分にイケている。燃費もWLTCモードで17km/Lと、十分にエコカーレベルの数字だ。

ホンダ・シャトル

 レジャーや帰省に必要な長距離ドライブ耐性の高さと実用性を兼ね備えたダークホースは、ホンダ「シャトル」。ベースモデルの旧型フィットはハイブリッドシステムの欠陥でリコールを連発するなどイメージが良くなかったが、サスペンションや車体の設計は実は結構卓越しており、性能的にはグローバルのライバルと比較しても結構いいセンを行っていた。

 そのタフなボディ、シャシーを使って荷室を拡張したシャトルで出色なのは、リアシートを畳まないで600リットル超という、2クラス上のDセグメントミッドサイズワゴンも青くなるくらいの荷室容量だ。キャビンの広さも前後席とも余裕たっぷり。前席は長時間走行時の疲労も非常に小さい。

 このシャトル、ハイブリッドが主力だが、ダークホース的に美味しいのは車両価格180万円のガソリン車。エンジンは1.5リットルながら129psの高出力タイプで結構速い。燃費もWLTCで19.4kmと、非常に経済的だ。

●撮影/井元康一郎

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