藤井棋聖が唯一勝てない男「豊島竜王」は何が凄いのか

藤井聡太棋聖が唯一勝てない豊島将之竜王はスキがない万能タイプ 次はJT杯で対局

記事まとめ

  • 藤井聡太棋聖は二冠となれば羽生善治九段の最年少記録「21歳11か月」を更新することに
  • 藤井棋聖はプロ入り後、豊島将之竜王と4回対局し4連敗、次は9月12日のJT杯で対局する
  • 豊島竜王はタイトルまで遠かったことでは藤井棋聖と対照的だが、万能タイプだという

藤井棋聖が唯一勝てない男「豊島竜王」は何が凄いのか

藤井棋聖が唯一勝てない男「豊島竜王」は何が凄いのか

初勝利なるか(写真/共同通信社)

 快進撃を続ける藤井聡太棋聖(18)。勝てば「二冠」となる王位戦の第4局が8月19、20日に開催される。棋聖戦を制し、30年ぶりに史上最年少タイトル獲得記録を更新したばかりだが、二冠となれば1992年に羽生善治九段(49)が記録した最年少記録「21歳11か月」を大幅に更新することになる。

 勢いを見せる藤井棋聖だが、“天敵”がいる。豊島将之竜王(30)だ。藤井棋聖はプロ入り後、豊島竜王と4回対局して4連敗中。

 最後の対局は昨年10月の王将戦決勝リーグ2回戦で、次は9月12日のJT杯で対局が決まっている。関係者が注目する対局について、将棋ライターの松本博文氏はこうみる。

「これまでの実績と格だけを見れば豊島竜王が連勝しているのは“順当”とも言えます。ただし、藤井棋聖はこの1年でさらに強くなり、実力相応にタイトルも獲得。どちらが勝ってもおかしくありません」

 豊島竜王は、9歳の時に史上最年少で奨励会に入り、「史上初の平成生まれのプロ棋士」と注目を集めたが、そこから壁に当たる。

「豊島竜王が初めてタイトルを獲ったのは28歳の棋聖戦。20歳で王将戦の挑戦権を獲得したが、久保利明九段(44)に敗れ、以降も挑戦権は手にするものの格上の棋士に勝てなかった。タイトルまで遠かったことでは、藤井棋聖と対照的ですが、攻守のバランスに優れ、どんな戦法でも指しこなす万能タイプ。佐藤紳哉七段(42)から“序盤、中盤、終盤、スキがない”と称されましたが、まさに言い得て妙です」(松本氏)

 豊島竜王は藤井棋聖の成長をアシストしている。

「藤井棋聖は初段でわずかに足踏みした時があり、師匠の杉本昌隆八段(51)は当時七段の豊島竜王に弟子との練習対局を頼んだ。豊島竜王は格違いの対戦を快く引き受け、順当に勝ちました。その胸を貸した相手がタイトルホルダーとして肩を並べるまでに成長したわけです」(松本氏)

 藤井棋聖は次こそ勝って“恩返し”できるか。

※週刊ポスト2020年8月28日号

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