儲けることが最優先という“銭ゲバ開業医”の見抜き方

儲けることが最優先という“銭ゲバ開業医”の見抜き方

治すよりも儲けが大事なのはどんな医者?

 古来「医は仁術」として尊ばれるが、現代では「医は算術」と割り切る医師が少なくないという。患者の健康のためではなく、より儲けが出るために診療・薬の処方をする開業医の特徴とは──。

「内科・消化器科・整形外科・耳鼻科・皮膚科」。このように複数の診療科目を標榜するクリニックを見て、「幅広い症状をカバーしてくれる」と安心するのは早計だ。とうきょうスカイツリー駅前内科院長の金子俊之氏はこう言う。

「日本の法律では、医師は医師免許さえ持っていれば、麻酔科を除いて、診療科目をいくつ掲げてもいいことになっています。患者をより多く集めて儲けるため、自分の専門外の病気を診察する医師もいるのです」

 こうした医師には5つの特徴があるという。特に注意すべきは、【1】4つ以上の科目を兼任している医師だ。

「病院や医師の数が少ない地方や医療過疎地はともかく、都市部で複数の科目を診察する医師は怪しいと考えるべきです。医療は科目ごとに専門性がありますが、1人で持てる専門科目は2〜3つが限界とされます。4つ以上の科目を1人の医師が受け持つ場合は、専門知識が乏しいのに受け皿を広げて患者をたくさん集めることが目的と考えられます」(金子氏)

 また、小児科と内科を一緒に標榜するような医師も要注意だという。

「都市部では小児科を標榜すると患者が集まりやすくなるのですが、『子供は小さい大人ではない』という格言があるほどで、大人しか診ていない医師が小児科の診療をすることは難しい」(同前)

 医師の診療科目は病院のホームページなどで確認できる。

抗生物質を院内処方

 実際の診察場面では、「薬の出し方」が判断材料になる。

【2】長年使っていた薬を新薬に変えさせようとする医師は、製薬会社との結びつきが強く、患者の利益よりも製薬会社の利益を優先して処方する可能性があるという。病院施設の管理に関する医療サービスアドバイザーの武田哲男氏が指摘する。

「日ごろから製薬会社は、薬価の高い新薬を買ってもらうために医師を研究会の講師として招いてギャラを払ったり、接待を繰り返したりしています。医師はそのうま味を知るからこそ、新薬を大量に捌こうとする。新薬と言っても従来の薬と効果がほぼ同じであるだけでなく、副作用など安全性が確立されていないこともあります。長年使っていた薬で、患者側がとくに効果が得られないと思っているわけではないのに新薬に変えようとする医師には注意が必要です」

 大量に処方することで儲けが出るのは新薬に限らない。

 特に気をつけたいのは、【3】風邪の症状に抗生物質を処方する医師だ。

「日本では、咳や痰、発熱といった風邪の症状で受診した際、医師が利益を得るため、抗生物質を無駄に処方するケースがあります。抗生物質は細菌を退治する薬であり、ウイルス感染である風邪の症状には効果がありません。しかも必要がない人に抗生物質を投与すると耐性菌ができてしまい、本当に必要な際に抗生物質が効かなくなる怖れがあります」(金子氏)

 薬のもらい方にも損得が絡む。金子氏はこう指摘する。

「【4】薬剤師が不在で院内処方を勧める医師は利益優先の可能性が高い。院内処方なら薬局に行く手間が省けると喜ぶ患者がいますが、薬剤師がいないクリニックの場合、薬剤師からきちんと薬の指導を受けることができないデメリットがあります。

 院内処方は仕入れ値が安く済むので、そこで不要な薬をどんどん出せば、仕入れ値と公定薬価の差額である『薬価差益』が大きくなり、クリニックが儲かる仕組みになっているのです」

【5】専門外の患者が来院してもほかの医師を紹介せず、自分のところで抱え込もうとする医師も注意が必要だと、医療ジャーナリストの油井香代子氏は指摘する。

「かかりつけ医やクリニックの医師が、高度な検査や知識が必要な患者を抱え込むのは問題です。治療で症状が改善しないのに、専門医を紹介しない医師は、患者を“金づる”としてつなぎとめておきたいからというケースもあります」

 医師の良心を過信せず、賢く自己防衛することを心がけたい。

※週刊ポスト2020年9月4日号

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