茨城vs栃木の県別魅力度最下位争い 40位群馬は高みの見物

茨城vs栃木の県別魅力度最下位争い 40位群馬は高みの見物

栃木の人は今回の結果に何を思う…(日光東照宮。時事通信フォト)

 ブランド総合研究所は10月14日、「都道府県別魅力度ランキング(第15回地域ブランド調査2020)」を発表した。昨年まで7年連続最下位だった茨城県が、42位に浮上。長年「日本一、魅力のない県」の汚名を着せられてきた茨城県が、悲願の最下位脱出となったのだ。しかし、代わりに最下位に沈んだのは、よりによって隣の栃木県だった。

 発表を受け、福田富一・県知事はわざわざ上京し調査会社に直談判、注文を付けたことを明らかにした。県庁のブランド戦略室も憤りを隠さない。

「2015年が最上位の35位で、さらに10位くらい押し上げようと近年は25位を目指すと目標を掲げてきました……。いろいろある指標のなかの『魅力度』だけを抜き出してランクづけしているので、もっと観光や居住などを含めた総合評価で見てほしいというのが正直な思いです。県民にも『うちの県は最下位か』と誤解を招いてしまうので、公開するならいろいろな項目でお願いしたい」

 県民も憤慨している。

「なぜ世界遺産である日光をはじめ、鬼怒川温泉、那須塩原などの有名観光地を抱える我が県が、何もないお隣に負けなければならないのか」(40代男性・宇都宮市在住)

 茨城県民は、余裕の表情でこう返す。

「たしかに世界遺産はないが、茨城には海がある。海岸に向かう国道50号線が夏場に『とちぎナンバー』の車で溢れる“栃木渋滞”は大迷惑だった。茨城は栃木県民に“海を貸している”んです」(50代男性・水戸市在住)

「とちぎ海浜自然の家」という栃木県の施設が茨城県にあることを、茨城県民は密かにネタにしているという。

 栃木県民が茨城を黙らせる最強の切り札が「新幹線の駅」だ。

「東北新幹線が県内を縦走し、小山、宇都宮、那須塩原と3つも駅がある。東京から宇都宮までたったの50分。通勤だって充分可能です。東京から水戸までは何時間かかるんだ?」(40代男性・宇都宮市在住)

 実は上野〜水戸間は常磐線特急で1時間15分ほどと大差はないのだが、それほどまでに「新幹線」という存在が大きいのだろう(ちなみに新幹線の線路は茨城県内を10kmほど走っている)。

 それでも茨城県民はこう対抗する。

「茨城にはつくばエクスプレスが走っている。世界に向けた文化発信地の秋葉原から、日本が世界に誇る学術・研究都市つくばまで、快速に乗れば46分! 東京から宇都宮に行くより早い」(30代男性・土浦市在住)

 さらに近年、茨城県民が誇りにしているのが、2010年に日本で初めて誕生したLCC(格安航空会社)専門空港の茨城空港である。

「茨城はいまや羽田と成田に並ぶ関東地方の国際玄関口。韓国や中国だけでなく、国内線でも神戸や福岡などの主要都市に安く行けるから、本当に便利ですよ。東京の人もわざわざ茨城空港までやってくるほど。そもそも栃木に空港はあるの?」(30代女性・笠間市在住)

 食の面でも両者は一歩も譲らない。

「茨城には水戸納豆という世界的ブランドがある。いまや欧米で健康食材として注目されている。とちおとめ? 海外で知っている人なんていないでしょう」(40代男性・水戸市在住)

「納豆なんて今やどこでも食べられる。宇都宮餃子に佐野ラーメン、ここでしか食べられないご当地グルメで、栃木は茨城を圧倒している」(30代男性・佐野市在住)

群馬は過去最高の40位

 同じ北関東の2県が小競り合いをするなか、今回の魅力度ランキングで過去最高の40位になった群馬県は高みの見物だ。

「うちには前橋と高崎という二大都市があるし、戦後総理大臣を4人も輩出している(栃木も茨城も戦後はゼロ)。実力が違う」(20代男性・高崎市在住)

 最下位となった栃木も黙ってはいないため、来年は三つ巴の戦いが予想される。栃木の福田知事は「今が底。そこからはい上がる。倍返ししたい」と会見でもリベンジを固く誓っていた。同県出身の元ボクシング世界王者、ガッツ石松氏もこれがチャンスと見る。

「一番ケツになって考えたのが、思い出してもらえるきっかけになるんじゃないかってこと。“栃木って最下位なのか、日光があったよな”って感じで。最下位でもOK牧場!」

 実は「だっぺ」という方言は栃木、群馬でも地域によって使われている。これからは「だっぺ帝国」改め「だっぺ連邦」として3県が連携して北関東の魅力を伝えていくのが効果的かもしれない。

※週刊ポスト2020年11月6・13日号

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