コロナの変異が希望に? 「第3波が最後」の可能性はあるか

コロナの変異が希望に? 「第3波が最後」の可能性はあるか

感染力を強化した変異型ウイルスが蔓延している可能性が(写真/アフロ)

「Go To トラベルを利用して北海道旅行を計画していたのですが、感染者が急増しているので大事を取って旅行をやめることにしました」(50代男性会社員)

 冬が近づき、北海道では新型コロナウイルスの感染者が拡大。東京では11月18日に確認された感染者が493人で過去最多となり、さらに同日の全国での感染者数も2058人で過去最多となった。

 各自治体は危機感を募らせる。宮城県は県独自の緊急事態宣言を出す可能性を示唆し、神奈川県は患者の受け入れ態勢の拡充を求める「医療アラート」を11月14日に発動した。これから年末にかけて不安が増すばかりだ。

「お正月は久しぶりに娘を連れて実家に帰省するつもりでしたが、高齢の両親のことを考えるとやめた方がいいのでしょうか。コロナはいつまで続くのか……」(40代主婦)

 全国各地であれよあれよと感染者数が増えていく状況に、日本医師会の中川俊男会長は11月11日、「第3波と考えていい」との認識を示した。国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さんが感染拡大の理由を指摘する。

「新型コロナはインフルエンザと同様に気温や湿度が下がるとウイルスが活性化するとされます。また第2波が落ち着いた安堵感で、基本的な3密対策やマスク着用、うがい・手洗いなどが疎かになった可能性もあります」

 急激な感染拡大は、ウイルスの「変異」によるものという研究がある。東京大学医科学研究所などの研究チームがウイルスに感染させたハムスターで実験したところ、変異型のウイルスは従来型の3〜8倍も感染力がアップしたと、この11月中旬に発表。また、従来型よりも人の細胞やハムスターの体内でウイルスが増えやすいことも確かめたとしている。

「現在はその変異型ウイルスが蔓延している可能性があります。ただしこの変異型は感染力こそ強くなったものの、重症度や毒性には影響しないようです」(一石さん)

 それでも感染者数が増えれば、入院患者数も増える。すると医療資源が逼迫し、医療崩壊を招く恐れがある。血液内科医の中村幸嗣さんが言う。

「日本の救急医療や重症患者用の病床は非常に少ないうえ、冬場は心筋梗塞や脳卒中の患者が増加する傾向があります。ただでさえ病床が逼迫する冬場に新型コロナの患者が大幅に増加すると、脳卒中などの急患を受け入れられない可能性があります」

 一方で、ウイルスの変異がひとつの希望をもたらすことはあまり知られていない。コロナウイルスの周囲には、人間の細胞にくっついて影響を与える「突起(スパイク)」がある。そのスパイクが変異することで、ウイルスは伝播や増殖がしやすくなる。

 遺伝子変異分野のプロである京都大学大学院特定教授の上久保靖彦さんは、本誌・女性セブン2020年9月24日・10月1日号にこう指摘していた。

《新型コロナのスパイクが変異可能な数は最大で12〜14で、ひと月に1回ほどの頻度です。(中略)S型(※最初に中国で発生した先祖型で“弱毒タイプ”。2019年12月から世界に広がった)が始まったのが昨年12月なので、今年の11月には最後の変異を終えて、その後消失し、ただのコロナウイルスになります。それはコロナウイルスのメカニズムで決まっていることなのです》

 コロナウイルスは性質上、変異できる回数がおおよそ決まっているとの見解だ。そうだとすれば今回の変異が最後となり、人類に大きな危害を加えない「普通の風邪」になると考えられるのだ。「第3波」はコロナの“最後の悪あがき”かもしれないのだ。

※女性セブン2020年12月3日号

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