ジェーン・スーが語るコロナ禍で変わった「理想の女性像」とは

ジェーン・スーが語るコロナ禍で変わった「理想の女性像」とは

女性のタイプを動物に例えて説明したジェーン・スー氏

 新型コロナの影響で、働き方や家族との付き合い方に大きな変化があった2020年。11月6日に発表された「新語・流行語大賞」のノミネート候補にもコロナ関連の言葉がズラリと並んだ。そんなコロナ禍で「“理想の女性像”も変わった」と語るのが、性格や悩みごとに女性のタイプを16種類の動物に準えて紹介した新刊『女のお悩み動物園』(小学館)を上梓したジェーン・スー氏だ。一体、どのようなタイプの女性を目指すべきなのか――。

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 まず流行語になった「ニューノーマル」という言葉ですが、私からすればこれまでの社会は歪みだらけの「アブノーマル」だったと思っています。最近よく使われる「エッセンシャルワーカー」という言葉だって同じ。代わりの効かない仕事に従事されてる方々は昔からいたのに、“無視”されていただけなんじゃないかと気付きました。コロナ禍という特殊な環境でやっとそういう問題に目を向けられるようになった。むしろ今はチャンスですね。

 私は雑誌の連載で、女性のタイプを16種類の動物に例えるコラムや、お悩み相談を続けてきました。人を信用しすぎて失敗してしまう人は「ヒツジ」、男性や上司に尽くしてしまう人は「イヌ」、親の言うことを何でも聞いてしまう人は「カンガルー」なんて具合です。

 コロナ禍で、ステイホームやリモートワークなど多くの人の生活が変わりました。私が驚いたのは、これまで社交的で明るかった人は人に会えないことで暗く塞ぎがちになり、逆に人付き合いが苦手な人は前よりずっとリラックスしていること。いままでと真逆なんです。

 極端に言えば、いまは「家で1人でいることが楽しくて仕方がない人」のほうが“陽気な人”なんですよね。社交的な人に対して使われていた「リア充」という概念は崩壊したように思います。だって“リアル”での社交が乏しいんですから。環境の変化がここまで心の持ちようを変えてしまうのは怖くもあります。

 そんなコロナ禍で女性が生きやすくなるのは「ヒョウ」タイプと「イルカ」タイプでしょう。

 これまで家庭と仕事を両立するキャリアウーマンはどちらでも気を張ってしまい、「私がやらなきゃ!」と張り切りすぎる「トラ」タイプが多かった。もちろんそういう女性は、女性が社会で活躍する道を切り開いてきた“勇者”です。でもコロナ禍では、もう少し無理をしない女性リーダーが求められると思います。

 「ヒョウ」タイプはしなやかで環境適応能力の高い女性。ご存じですか? 実はヒョウというのは普通のネコを除くネコ科動物のなかで最も広い地域に生息しているんです。つまり、「適応能力」がメチャクチャ高い。ヒョウの毛の色が黒かったり、まだらだったりするのはそれぞれの地域で「生きやすい」色なんですね。コロナで今後また色々な変化があるでしょう。いきなり部署が異動になったり、子供の学校での過ごし方が変わったり――、そうした変化に柔軟に対応できるのが「ヒョウ」タイプです。

 またヒョウタイプの良いところは、「逃げるのが上手い」ところです。これまで日本の社会は逃げることをことさらに“悪”としてきました。サラリーマンの過剰な残業などがその象徴ですね。それがいまの社会では「コロナから逃げる」ことが最善とされています。つまり肯定的な逃げ、「勇気ある撤退」とでも言いましょうか。仕事も家庭もしなやかに生きる、でも「ヤバい」「もう無理」と思ったらすぐに逃げられる力が求められてくると思います。

 そしてもう1つが「イルカ」タイプ。特に管理職などに就く女性などは、ぜひこのタイプを目指して欲しい。高い知能を持つことで知られるイルカは大きな群れを作って生活しますが、その一番の理由は「情報共有」のためだそうです。

 エサ場の在処や敵の居場所など生きていくために必要な情報を惜しげもなく共有し、子育てもみんなが手伝って行うそうです。会社で男性のように振る舞って、出世していった満身創痍の先輩女性たちには頭が下がりますが、これからはもう少ししなやかに戦っていきたいところです。男女問わずコロナでみんな大変なわけですし、助け合い、励まし合う必要があるのではないでしょうか。リーダーではあるけれど、ボスではないというか。

 環境変化にもしなやかに適応し、女性同士、未婚既婚などの属性の違いを超えて助け合う。そしてダメだと思ったらすぐに逃げることができる――。きっとこれからの“理想の女性”はこういう人だと思います。

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