菅首相の後援者参加ゴルフコンペ、政治資金報告書に記載なし

菅首相の後援者参加ゴルフコンペ、政治資金報告書に記載なし

菅義偉首相の疑惑が次々に噴出(時事通信フォト)

 菅義偉・首相が官房長官時代の2014年4月、横浜ロイヤルパークホテルの大宴会場「鳳翔」で約2500人の後援者を集めた会費1500円のパーティー「春の集い」を開き、政治資金収支報告書に記載していなかった問題は、本誌・週刊ポスト前号(11月30日発売号)で報じた。

 この規模のパーティーを会費1500円でまかなうことは不可能だろう。実際に掛かった費用と会費との差額は一体誰が補填したのだろうか──。

「不記載」の後援者イベントは他にもある。日本女子プロゴルフ選手権などの会場にもなってきた千葉県市原市の超名門コース「キングフィールズゴルフクラブ」では秋の恒例行事「すが義偉なかよしゴルフコンペ」が開催される。かつて資産報告書(2006年)で菅氏は同ゴルフ場の会員権を所有していると記載していた。

 長年にわたって参加してきた後援会幹部が語る。

「始まったのは20年ほど前、最初の頃は少人数だったが、菅さんが当選回数を重ねるごとに規模が大きくなり、近年は約50組貸し切りだから200人近く参加する。菅事務所から『何月何日にやりたいから』と打診があり、私も後援会の関係者とか、友達に声を掛けます。プレーフィーは直接、ゴルフ場に払います」

 菅氏の元秘書である遊佐大輔・横浜市議のブログにはコンペの様子がしばしば出てくる。

 2013年のコンペではクラブハウス入り口の両脇に「すが義偉」の黄色い幟旗が立てられ、揃いの黄色い上着を着たスタッフ10人あまりが早朝から特設カウンターで準備作業に追われる写真がアップされている。

 2014年11月の消費税先送り解散の直前(11月10日)に開催されたなかよしゴルフの時はこうある。

〈6時からミーティング、9時過ぎに最終組をお見送りして、お手伝いくださった皆様と朝食、景品並べやパーティーの打ち合わせ、ホールアウトした組のお出迎え、スコア確認のアテスト、パーティー、片付けと、終了時刻は18時を過ぎます〉

 元秘書の市議自らが懸命に接待している様子がよく伝わるが、このコンペは菅氏の政治資金収支報告書に記載がない。

 コンペの幹事役を務める加藤寿規氏に話を聞いた。加藤氏は横浜にあるケイ環境企画の社長で、菅氏の横浜市議時代からの有力な後援者である。

「コンペは菅先生の名前を冠していますが、菅事務所の企画ではなく親睦団体の主催です。菅事務所の秘書が裏方をやっているのも、私の仲間として手伝っている。プレー代は1万6000〜1万8000円で各自精算、それとは別に会費として1人6000円集めて景品を買い、みんなに何らかの景品を渡すようにしている。官房長官で忙しくなってから菅さんはプレーしていない」

 ゴルフ場関係者は「菅さんは表彰式に来て挨拶して帰る」という。会費6000円で200人とすれば、120万円のカネが動く。

 菅事務所は、「有志の方々が主催する行事の事務作業をお手伝いすることはある」と説明した。有志主催だから政治資金収支報告書に記載する必要はないという認識だ。

 しかし、政治資金規正法に詳しい岩井奉信・日本大学法学部教授がこう語る。

「形式上の主催者が有志であっても、菅氏本人や菅事務所関係者が関わっており、後援者を対象とする催しであれば、実態として菅さんの政治活動と見なされる。政治活動であれば、政治資金収支報告書に記載しなければならない。それが正しい処理です」

 後援者を招いた親睦ゴルフを報告している政治家は少なくない。

 菅氏の隣の選挙区(神奈川1区)の松本純・自民党代議士は、磯子カンツリークラブで開く「松本純ゴルフ大会」の事業収支を政治資金収支報告書に毎年報告している。19年は収入約102万円、支出約108万円だ。松本事務所の説明だ。

「参加者は120人前後、プレー代は各自がゴルフ場に直接払ってもらうので政治資金収支報告書には記載しないが、別に表彰式の賞品代や懇親会の飲食費として頂いた会費は資金管理団体の事業費収入となるので、収支を記載して適正に処理している」

※週刊ポスト2020年12月18日号

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