PL教団3代教祖・御木貴日止氏が死去 後継者問題に注目集まる

PL教団3代教祖・御木貴日止氏が死去 明らかになっていない後継者問題に注目集まる

記事まとめ

  • PL教団の3代教祖・御木貴日止氏が12月5日に亡くなっていたことが分かった
  • 貴日止氏は名門・PL学園硬式野球部が活動休止となった時の教団トップである
  • 最盛期に3代を継いだ貴日止氏の死去により後継者問題に注目が集まっている

PL教団3代教祖・御木貴日止氏が死去 後継者問題に注目集まる

PL教団3代教祖・御木貴日止氏が死去 後継者問題に注目集まる

PL教団の象徴となっている大平和祈念塔

 春夏の甲子園で通算7度の優勝を果たした、名門・PL学園の硬式野球部が活動を休止してからおよそ4年──。学園の母体であるパーフェクトリバティー教団(以下、PL教団)もまた、新たな時代を迎えようとしている。同教団の3代教祖・御木貴日止(みき・たかひと)氏が12月5日に亡くなっていたことが分かった。63歳だった。『永遠のPL学園』などの著書があるノンフィクションライター・柳川悠二氏がレポートする。

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「12月2日はおしえおや様(PL教団での教祖の呼称)の63歳の誕生日で、(大阪府)富田林市の教団の聖地では式典が行われました。体調に不安のあるおしえおや様もその日は講話をされた。ところが、4日に体調が急変して病院に運ばれ、翌朝に亡くなったそうです。8日の密葬には、全国の教会から教師(いわゆる布教師)が聖地に集まります」(教団関係者)

 密葬が行われている時間帯に、私は聖地の外周を歩いた。全国から200人近い教師が集まっているというが、入場ゲート付近には確かに喪服を身に纏った信者の姿があった。

 PL学園野球部が活動休止となった時の教団トップである貴日止氏の今回の訃報と、気になる後継者について、PL教団の渉外課に詳細を訊ねたところ、

 「5日に亡くなられたのは事実です。(後継者問題については)ノーコメントです」

 という回答だった。教団は5日の夕刻には全国にある教会に教祖死去の連絡を入れている。一部を抜粋して紹介する。

〈私たちがおしえおやと仰ぐ御木貴日止教主が今朝ほど、忽然として神去られました。私たちを日々お守りくださっていたおしえおやの神業は天界にかえられてしまいました〉

 PL教団は、戦前にあった「ひとのみち教団」を前身とし、その2代教祖だった御木徳近(とくちか)氏が1946年に佐賀県鳥栖市で立教した神道系の新宗教だ。徳近氏は「人生は芸術である」をPL処世訓の第1条に掲げ、信者の芸術活動を推進して教勢を拡大していった。その象徴がPL学園の野球部である。1970年代から80年代にかけて、教団からのバックアップを受けて全国から選手を集め、甲子園のアルプス席に巨大な「PL」の人文字を描く。教団名を世に広め、1980年代に信者数は公称260万人超にまで拡大していった。

 広大な聖地には大平和祈念塔が建てられ(1970年建立)、小中高の一貫校であるPL学園やPL女子短大(2009年に休校)、看護学校などを設立。近隣には教団が管理するゴルフ場があり、かつてはPLランドという遊園地もあった。

 教団にとって大きな転機となったのが1983年だ。徳近氏が逝去し、妻側の一族から養子に迎えていた貴日止氏が25歳の若さで教団を継承する。

 その半年後に貴日止氏は、現在の妻・美智代氏と結婚した。三男二女に恵まれるも、結婚から24年目の2007年に、貴日止氏は脳の疾患で倒れ、以降は積極的な布教活動が難しくなっていた。

 現在の信者数は公称約70万人で、教団にかつての勢いはない。施設内の建物は老朽化が進み、信者の二世・三世が通う学園の生徒数も、高校で一学年およそ50人程度。母体となる教団が力を失ったことが、2016年の学園野球部の活動休止の最大の理由であった。

 やはり注目されるのは後継者問題だろう。PL教団では教祖が生前に後継者を指名することを慣例としていたが、63歳で亡くなった貴日止氏の継承者は明らかになっていない。

 冒頭で紹介した各教会に送付された文面では、教団の神事が今後は一時的に中止になることが報告されている。元教団教師が語る。

「教団の神事を止めないために、後継者を明らかにしておく必要があったわけです。教祖は11月に、広島・呉で奥様やお付きの人を連れて釣りに興じてらっしゃいます。体調に不安があったとはいえ、まさかこのような最期になるとは考えてもいなかったのかもしれません。信者としては当然、次のおしえおや様がどなたになるのか、大きな不安を抱えながら決定を待っている。4代教祖として名前が挙がるのが、ともに30代であるご長女と、ご長男。有力視されているのは、PL病院の理事長秘書をしているご長男です」

 最盛期に3代を継いだ貴日止氏の後継者には、会員数が減少するなかで教団運営の手腕が問われることとなる。

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