クルーズ、初詣など 政治資金記載ない菅首相後援者イベント

クルーズ、初詣など 政治資金記載ない菅首相後援者イベント

菅義偉首相は疑惑に対し、どう説明するのか(時事通信フォト)

 本誌・週刊ポスト前号(11月30日発売号)では、菅義偉・首相が官房長官時代の2014年4月、横浜ロイヤルパークホテルの大宴会場「鳳翔」で約2500人の後援者を集めた会費1500円のパーティー「春の集い」を開き、政治資金収支報告書に記載していなかった問題を報じた。

 疑惑のイベントはこれだけではない。菅氏と元秘書らのブログ、地元の地域情報誌の記事などを調査した結果、菅氏の後援者イベントのうち、政治資金収支報告書に記載されていないものがほかにも見つかった。それらのイベントをまとめる(開催日が判明したもののみ)。

 2015年10月には「すが後援会ディナークルーズ」が開催された。菅氏の元秘書である遊佐大輔・横浜市議のブログにはこうある。

〈菅義偉・内閣官房長官の地元南区後援会が主催となって、横浜の夜景を一望できる『ディナークルーズ』が開催されました。心配された天気も大丈夫でした! すがさんは残念ながら来られませんでしたので、代わりに奥様がご挨拶〉

 ブログにはディナー写真とともにこう紹介されているが、会費などの記載はない。後援会ディナークルーズに参加したことがある支持者の話だ。

「後援会の工場夜景クルーズに何回か参加しました。食事がついて会費は7000〜8000円ほどだったと思います。昼間のクルーズにも参加したことがあります」

 東京、横浜などで貸切クルージングを企画する「リザーブドクルーズ」の運行会社はこう回答した。

「後援会の方からご予約をいただいて弊社が運行しています。日時、人数、料金など詳細は御案内できないので、菅さんの事務所に問い合わせてください」

 同社のホームページによると夜景クルーズは食事なしで大人4600円、食事付きのクルーズプランは横浜発の「ベーシック」で1人1万2000円からとなっている。証言にある会費7000〜8000円だとすれば、“割引料金”や“特別プラン”だったのかもしれないが、政治資金収支報告書に収支が記載されていないのでこちらも検証できない。

 前号で紹介した毎年1月の「成田山初詣バスツアー」でも新たな事実が判明した。今年は1月26日に実施され、会費8000円でバス約25台、約1000人が参加した。単純計算で総額800万円だ。

 主催は有志を示す「実行委員会」となっているが、参加申し込み書には「すが義偉事務所」の電話番号が記され、行程などが記された「成田山初詣ご参加の皆様へ」という案内資料には、「当日緊急連絡先」として菅事務所の秘書の携帯電話番号があった。

 さらに昼食の会場には菅氏本人が現われ挨拶回りをし、その後ツアーの参加者全員に「暦」が配られていた。その裏表紙には「衆議院議員 すが義偉 後援会」と印刷されている。

 バス約25台を連ねた初詣ツアー、「春の集い」の2500人パーティー、「なかよしゴルフコンペ」などリストのイベントだけでも、数千万円のカネの流れがあると推定される。

 これらのイベントについて、菅事務所は「当事務所の事業ではなく、地域の方や会社、団体、地方議員など、多くの方々が参画している実行委員会が主催する事業」と回答。

 安倍晋三・前首相の「桜を見る会前夜祭パーティー」補填問題への捜査が進む中、菅氏はなぜ、自らの後援会のカネの「入り」と「出」を明らかにして襟を正そうとしないのか。

※週刊ポスト2020年12月18日号

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