自粛警察と化した高齢者 22時以降営業店の見回りする人も

自粛警察と化した高齢者 22時以降営業店の見回りする人も

繁華街における夜の人出は減少しているが…(時事通信フォト)

“コロナ以降”の社会は、外出、食事、人との距離感まで従来の常識は通用しなくなった。「第3波」の到来によって、感染防止に対する意識の差はさらに広がり、軋轢を生む場面も増えているようだ。

 検診に訪れた保健福祉施設でマスク着用を求められた岡山県赤磐市の市議・行本恭庸氏(73)の言動が、物議を醸した。

「話をしないのでマスクはいらない」「この若造が」

 行本氏は女性職員にそう怒鳴りつけ、便の入った検体袋を投げつけたと報じられた。行本氏には批判が殺到し、12月1日に議員辞職となった。

 新型コロナの「第3波」が到来したいま、全国各地でこうした“ざんねんな人”が相次いでいる。

「あそこの店は危ない」

 多くの人が辟易としているのが、“過剰防衛隊”の言動だ。都内のメーカー勤務の男性(41)は、50代後半の上司と会食した時のことを振り返る。

「その居酒屋はアクリル板の設置など感染対策はしっかりしていましたが、今回の時短要請には応じていなかった。22時に我々が会計をした時に、隣のテーブルにはまだビールジョッキが並んでいました。すると上司は隣の見知らぬグループに向かって『22時過ぎたんだぞっ』と一喝、場が凍り付きました」

 会社でも、その上司は退社する部下に22時以降に酒類を提供する店に行かないか毎日のように確認するのだという。

「遅い時間に電話がかかってきた時、外にいる音が聞こえたようで『飲み歩いているのか』と詰問されました。社員の感染を心配しているつもりかもしれませんが、ここまで監視されると嫌になりますよ」(同前)

“自粛警察”と化したご近所シニアに困惑するのは都内在住の主婦(55)だ。

「地元の飲食店街を歩きながら22時以降に灯がついていないかを確認するおじいちゃんがいます。営業を続けている店があると鬼の首を取ったように『あそこの店は危ない』と触れ回るんです。近所の家に車が数日なかったことに気づくと『あの家族はGo Toで旅行にいっている』と憶測で噂を広める。困ったものです」

 いまや必需品となったマスクの脱着タイミングも許せない人がいる。出版社勤務の女性(43)が言う。

「2割の社員しかいない職場で、お茶を飲もうと一瞬マスクを外したんです。そしたら古参社員が猛ダッシュしてきて『マスクはしましょう』と言ってきた。一瞬のスキを見せただけでいちいち注意されるのは疲れます」

※週刊ポスト2020年12月18日号

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