鳥越俊太郎氏 コロナ禍でキレる高齢者に理解「報道煽りすぎ」

鳥越俊太郎氏 コロナ禍でキレる高齢者に理解「報道煽りすぎ」

コロナを巡り様々な軋轢が生まれている(時事通信フォト)

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、外出や食事、人との距離感まで従来の常識は通用しなくなった。そして、「第3波」の到来によって、感染防止に対する意識の差はさらに広がり、軋轢も増えているようだ。

 人々の行動を過剰に監視する“自粛警察”などと呼ばれる人がいる一方、楽観的すぎる言動で眉をひそめられている人もいる。不動産会社勤務の男性(53)が言う。

「『インフルエンザ関連では年間1万人が死んでいる』『コロナは風邪と同じ』という持論があってマスクをしない部長がいます。飛沫も気にせず大声で話すので、狭い部屋での会議は地獄です」

 こうした「コロナ安全論」は家庭内でも不協和音を生んでいる。

「70代の父が『コロナはただの風邪』という考えに染まってしまい、友達や親戚、近所の商店にもそう力説して回るんです。マスクもしません。そんなこと言って感染して重症化したらどうするのか……」(54・自営業)

 自費のPCR検査が増えたことで、こんな困った人も現われている。商社勤務の男性(49)が語る。

「2か月前にPCR検査を受けて陰性だったという50代の役員がいます。日が経つのにいつまでも検査結果を印籠のように持ち出して『俺は大丈夫だ』と豪語。取引先の人を誘ってゴルフや、夜の街に行ってやりたい放題。尊敬する人でしたが、見る目が変わりました」

 コロナ禍でヒンシュクを買う中高年が増えたことについて、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(80)は複雑な心境だという。

「僕自身、テレビのコロナ報道は煽り過ぎだと思っています。だからマスク着用を求められてキレる高齢者の気持ちはわからなくもない。インフルエンザや年間37万人が亡くなるがんと比べると、コロナはそれほど怖いものではないんです。ただ、それを言うと、みんなに嫌われましたけどね」

 鳥越氏は自戒を込めてこう語る。

「高齢者の問題行動が取り沙汰されるけど、その人の本質が現われただけ。今の時代は当たり前の衛生管理をすることが“嗜み”なのでしょう。その嗜みを持ち合わせていれば、くだらないトラブルの要因も作らないし、冷静になれるはずです」

 ざんねんな言動のせいで“心のディスタンス”まで取られないようにしたいものだ。

※週刊ポスト2020年12月18日号

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