知られざる脅威 オリンピック開催強行ならコロナに続いて「耐性菌の国内蔓延」が起きる!

知られざる脅威 オリンピック開催強行ならコロナに続いて「耐性菌の国内蔓延」が起きる!

警戒すべきは変異型コロナだけではない(共同)

 コロナ第3波が予想以上の被害を広げ、医療崩壊の危機が迫っている。コロナ感染も怖いけれど、「念のため」と病院に行くのもリスクがある。コロナを疑う症状に限らず、この環境で「病院とのお付き合い」はどのようにすればいいのか。『週刊ポスト』(2020年12月21日発売号)では、「2021年を幸せに迎えるために」と題した大特集で、病院に行くかどうかの判断基準や、通院をやめて健康回復した事例などを紹介している。そのなかで、必要な通院と不要不急の通院についてアドバイスしている医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師に、改めて「コロナ禍の通院」について聞いた。

 そもそも「病院」とひとくくりに言っても、コロナ感染のリスクはさまざまだ。大病院は医療体制が整ってはいるが、多くの人が出入りし、重症者も多い。上氏は病院選びについてこうアドバイスする。

「コロナ感染のリスクは、町のクリニックより大きな病院のほうが高いです。クリニックで院内感染が起きているという例はほとんどないが、虎の門病院とか、アメリカのメイヨー・クリニックといった一流の大規模病院では院内感染が起きてしまいました。それは仕方のないことなのです。

 これだけ感染が広がると、若い人のなかには無症状感染者がたくさんいて、だいたい100人に1人くらいは巷に感染者がいると言われています。例えば虎の門病院には1000人以上のスタッフがいますから、そのなかに無症状の感染者がいる可能性は十分ある。クリニックならスタッフの数はずっと少ないし、滞在する時間もせいぜい数十分ですから、感染リスクは低い。大きい病院ほどコロナをもらってしまう可能性があると考えて行動することが大事です」

 週刊ポストの特集でも、かかりつけ医を活用することが推奨されている。コロナによって通常の医療体制が崩れていること、治療と感染リスクを秤にかけて判断しなければならないことなど、素人では迷う要素も増えているだけに、信頼できる医師との関係をつくることは安心につながる。

「ただし、頼りない医師ではダメです。急な対応をしてくれるとか、必要な治療が受けられる病院にちゃんと入れてくれるといった危機対応能力が問われます。通常であれば、患者の話をしっかり聞く、診断が正確などが“良い医師”の条件ですが、コロナ時代には、コミュニケーション能力があって、いざというときに動いてくれる医師が必要です。

 そこを見極めるポイントは、普段からメールやSNS、電話のレスポンスが早いかどうか。“できる人”はたくさんの患者を抱えているので、あとでやろうなどと考えず、やるべきことはその場で解決するものです」

 そのうえで、上氏はコロナで政府や国民が忘れている重大な問題を指摘する。

「実はコロナが蔓延する前に、医療界では抗生物質が効かない耐性菌の問題が注目されていました。オリンピックで海外からたくさんの人が来ると、国内に耐性菌が広がるという懸念があったのです。中東やインドなどの南アジアでは、医師があまりいないので抗生物質を薬局で処方して乱用しているケースが多く、そのせいで耐性菌がたくさんできてしまっている。日本では耐性菌の院内感染は非常に少なかったのですが、オリンピックとそれに関するインバウンドで耐性菌を持つ人が国内に入って、病院に来たりすると院内感染が起きると心配されていました。

 コロナで注目されなくなっていますが、本当に2021年にオリンピックを開催するとなると、対策が不十分なまま、今度は耐性菌の国内での蔓延が起きるおそれがあります」

 菅政権は、医療界の警告を無視してGo Toキャンペーンを強行し、コロナ第3波を招いた。医療崩壊の危機を目の当たりにして慌ててGo Toを停止したが、オリンピックについては開催に前のめりになっている。これでまた医療者の警告を聞かずに新たな医療崩壊を引き起こすようなら、棄民政治ここに極まれりだ。今度こそ、問題が起きる前にリスクを広く知らせて国民的議論を尽くすべきだろう。

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