コロナで変わる生活様式 「3密回避スタイル」が便利に進化
2021年01月09日 11時05分 NEWSポストセブン

指輪を読み取り機にかざすだけで決済が完了。防水仕様で充電不要なのもうれしい(写真/EVERING提供)
人々の生活を大きく変えた新型コロナウイルス。2020年4月の緊急事態宣言により、外出自粛やさまざまな制約を余儀なくされたことで、新たな生活様式が生まれた。博報堂生活総合研究所上席研究員の佐香孝さんは、「この体験が“ニュー・ノーマル”として2021年も継続発展していく」と予測している。
「コロナ禍で人との接触を減らす方法として、キャッシュレス決済を利用する人が増えました。現金派の人も、小銭を受け取らなくてすむ便利さを味わうと、キャッシュレス決済の使用頻度が高まる。それにより、より使いやすいものへと進化して行くことでしょう」
また、PASMOなどの交通系ICカードのように、機械に“ピッ”とタッチするだけで決済できる指輪も登場し、話題になっている。これは、VISAの決済システムと連携した『EVERING』(2021年春発売予定)で、使う前にお金をチャージするプリペイド式。この指輪をしていれば、財布もスマホも持たずに買い物ができるというわけだ。
進化するサブスクリプションサービス
コロナ禍で不要なものを処分した人も多いが、できるだけ物を持たずに生活したい人たちの間で広まっているのが、商品やサービスの“一定期間の利用権”として料金を支払う、サブスクリプション方式(通称サブスク)だ。スタイリストがコーディネートした服の借り放題、1日1杯の飲み物が無料になる定額カフェなどがこれまでもあったが、さらに“住居”が登場した。
これは、全国に100か所以上のスポットを持つ『ADDress』が始めたサービスで、月額4万円で、契約期間内に何度でも、どこのスポットに引っ越すことも可能。
気分に合わせて場所を移しながら生活を楽しむことができるため、問い合わせが増えているという。
テレワークが働き方の選択肢を広げる
こういった新しいライフスタイルを後押しするのが、テレワークの広がりだ。
「コロナの長期化でリストラや雇止めなど厳しい状況が続いているが、一方、産休育休や在宅勤務の制度が充実。女性が自由にキャリアを選べ、働きやすい状況になるのでは」
そう語るのは、調査機関『しゅふJOB総研』所長の川上敬太郎さんだ。
「感染リスクを下げるために、必要に駆られて広まったテレワークですが、オンライン環境さえ整っていれば、遠く離れた場所の仕事もできるようになったのは働く側にも、企業にとってもメリットです。
夫の転勤についていく選択をしても、在宅で仕事ができれば退職しなくてすみます。実際に『海外在住可』と記して求人をした静岡の企業には、全国から応募があり、地方在住者が採用されました。仕事選びの柔軟性はますます広がるでしょう」(川上さん)
仕事はテレワークで対応できるものばかりではない。弁当などのテイクアウト事業は伸びていても、密な環境で働くのは感染リスクが高まる。
そこで注目されるのがロボットの利用。『アールティ』が開発した人型協働ロボットは、トレーに積み上げられたなかから食材を選んで盛り付けることが可能に。人との間にロボットをはさめば密を回避でき、人手不足への対応、異物やウイルス・微生物の混入対策にもなる。2021年春には導入が期待されている。
※女性セブン2021年1月21日号