安倍氏「敵前逃亡」、麻生氏「これは風邪」 コロナ戦犯政治家の過ち

安倍氏「敵前逃亡」、麻生氏「これは風邪」 コロナ戦犯政治家の過ち

コロナ対策の失敗は安倍晋三・前首相から始まった(時事通信フォト)

 日本はコロナ対応に完全に失敗した──。医療面では、人口あたりの病床数が先進国でも飛び抜けて多いにもかかわらず、重症患者やハイリスクの高齢者が病床不足で入院できない医療崩壊を招いた。

 経済的影響も深刻だ。政府は2020年度の実質経済成長率(見通し)をマイナス5.2%に下方修正。下げ幅は米国(マイナス3.5%)より大きい。元東京大学医科学研究所特任教授で医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏が指摘する。

「ファクトだけを言うと、日本は東アジアでは人口あたりの感染者と死者が最も多く、経済ダメージはアジアで最大。希望者にPCR検査もできず、国産ワクチンも開発できていない」

 政治の失敗、人災であることを示している。“コロナ戦犯政治家”の筆頭に挙げられるのは安倍晋三・前首相だろう。

 コロナ対策の初動を誤って感染を広げながら、途中で政権を投げ出し、“敵前逃亡”を決め込んだ。

 安倍政権は中国が武漢を封鎖後も、予定されていた習近平・国家主席の来日に影響が出ることを恐れて中国からの入国禁止措置の発動が遅れ、中国人観光客を受け入れた。

 これが感染対策の失敗の原点だろう。そして緊急事態宣言発出も遅れた。実は、安倍前首相は「2回目の緊急事態宣言」となる事態を予言していた。1回目の緊急事態宣言を解除した昨年5月25日の会見でこう語っている。

「感染者の増加スピードが再び高まり、最悪の場合には、残念ながら2度目の緊急事態宣言発出の可能性もあります。しかし、私は、外出自粛のような社会経済活動を制限するようなやり方はできる限り避けたいと考えています」

 そのうえで、感染者を早期発見してクラスターを防ぐ切り札として「接触確認アプリ」の導入を挙げ、医師が必要と判断すれば直ちにPCR検査を実施する検査機能の拡大を表明した。

 そうした最悪の事態を予期しながら、感染第2波さなかの8月28日に突然、持病の悪化を理由に退陣を表明し、菅義偉・首相が政権を継いだ。当時は、「病気なら仕方ない」と同情された。

 ところが、退陣後の安倍氏は入院や静養するのではなく、コロナ対応を投げ出したことを棚に上げて「ポストコロナの経済政策を考える議員連盟」会長に就任して政治活動を再開。「“再々登板”に意欲がある」(細田派幹部)といわれるほどだ。

 しかも、置き土産となるはずのPCR検査体制の拡大は不十分なままで、接触確認アプリの「COCOA」は感染者と接触しても通知が届かない不具合が発覚した。チェックしなかった菅首相は他人事のように「お粗末」と言い、言い出しっぺの安倍氏本人は今も知らんぷりを決め込んでいる。無責任極まりない態度だ。

 安倍政権の初動の失敗には、「これは風邪だから、はやり病だから」と楽観視していた麻生太郎・副総理兼財務相をはじめ、梶山弘志・経産相、赤羽一嘉・国交相、萩生田光一・文科相ら菅政権で再任された大臣たちも連帯責任を負っている。

※週刊ポスト2021年2月26日・3月5日号

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